退職代行のトラブル事例が怖すぎる!失敗を回避する方法とは
退職代行は、自分で会社に「辞めたい」と伝えなくても会社を辞められるサービスとして人気を集めています。
ブラック企業で働いていて、会社へ行くことがしんどい。もう明日から会社へ行きたくない、辞めたい。
そんな方におすすめのサービスです。即日退職にも対応している退職代行なら、依頼したその日から会社に行かないようにすることもできます。
ですが、退職代行を利用したところで、何のトラブルもなく、リスクもなく退職できるものなのでしょうか。今回は、実際にあったトラブル事例や失敗事例と、それを回避するためのポイントをご紹介します。
目次
退職代行に多い10のトラブル・失敗事例
早速、退職代行におけるトラブル事例や失敗事例を見ていきましょう。大手の退職代行サービスはきちんとした運営がされており、事例ごとに対応もマニュアル化されています。そのため、以下に紹介するようなトラブルは起こりにくく、万が一起きてしまった場合でも影響を最小限に留められるようになっています。
2.会社から懲戒解雇を言い渡される
3.損害賠償請求をされる
4.必要書類が届かないなどの嫌がらせを受ける
5.非弁行為で訴えられ、退職が無効になる
6.有休消化が認められない
7.未払いの給与が支払われない
8.会社から執拗に連絡が来る
9.退職することが家族(身元保証人)に伝わる
10.退職代行業者と連絡が取れなくなる
ですが、なかには品質の悪いサービスを提供している退職代行サービスもあるので、必ずしも円満退職できるわけではありません。退職代行の依頼をする前にトラブル事例や失敗事例について知っておくと、慎重に検討できるので安心です。
退職代行を利用したのに退職できない
退職代行を利用する一番の目的は「退職するため」です。それにもかかわらず、退職ができないという本末転倒な事態に陥ってしまうケースがあります。
実際、ある退職代行に依頼したところ「会社側が本人からしか退職の申し出を受け付けないので、連絡してもらえますか?」と言われた利用者がいました。会社と連絡したくないから退職代行を依頼したのに、これでは意味がありません。しかも返金保証がない退職代行だったようで、支払った料金は返ってこなかったそうです。結局その方は別の退職代行に依頼し直して退職したとのことでした。
退職代行の人気が高まるにつれて、新規参入する退職代行サービスが増えています。そのため、サービス品質の低い退職代行も出てきており、退職代行を謳っているからといって必ず退職できるとは言い切れないのが現状です。
このような失敗をしないためにも、退職代行を選ぶときは実績に注目すると良いでしょう。退職代行の利用者が多く、退職率100%であれば、安心して任せられます。料金の安さに惹かれることもあるかと思いますが、トラブルが起きてしまうと余計な時間やお金がかかってしまうので、確実性の高いところに依頼すると良いですね。
会社から懲戒解雇を言い渡される
会社を辞める場合は大きく分けて退職と解雇(クビ)の2種類があり、その中でもさらに種類分けがされています。通常、退職代行を利用した場合は「自己都合退職」となりますが、ごく稀に退職代行を利用したことで会社に迷惑がかかったと言われ、「懲戒解雇」にすると脅されることが……。
懲戒解雇の処分を受けると、退職金がもらえない、転職しづらくなるなどの影響が出てしまいます。退職代行を理由に懲戒解雇されてしまうのであれば、何とか自分で退職した方が良いかもしれません。
ですが、懲戒解雇を持ち出す会社はあっても、実際の処分にまで至ったケースはありませんでした。それもそのはず、懲戒解雇とは重大な違反を犯した労働者に対して下される最も重い処分だからです。懲戒解雇になる例は、「会社のお金を横領していた」「強盗や痴漢などの会社の名声に関わる犯罪行為があった」「経歴に関して重大な詐称をしていた」「長期間の無断欠勤があった」など。社内秩序を著しく乱した労働者へのペナルティであり、退職代行サービスを利用したぐらいで易々と発動できるものではないのです。
仮に懲戒処分を言い出された場合でも、弁護士が付いているような退職代行であれば、毅然とした対応を取ってくれます。もちろん、懲戒解雇ではなく自己都合退職という形に持って行ってくれるので、安心して退職代行を利用してください。
会社側から損害賠償を請求される
退職代行サービスを利用する方の多くは即日退職を希望します。すると、依頼したその日から出勤せずに退職することになるので、本来その人が担当していた業務が滞ったり、引き継ぎが上手くいかなかったりすることもあるでしょう。急な退職によって会社側に損害が出たとみなされ、その損害分を賠償しろと請求されるケースがあります。
ただし、この場合も懲戒解雇と同様で、退職代行の利用を理由にした損害賠償請求は成立しません。もし損害賠償請求をされるとしたら、退職に至るまでに労働者側で何らかの義務違反があり、それによって会社に具体的な損害が生じている場合のみです。たとえば、退職までに長期間の無断欠勤を続けていたり、退職代行業者を通じてでさえも最低限必要な引き継ぎ連絡をしてこなかったりした場合が挙げられます。
損害賠償請求をするのは裁判費用がかかるので、実際に請求される可能性は低いですが、万が一の事態をも避けるために、会社へ行きたくないと思ったら無断欠勤せずにすぐ退職代行を使う、最低限の引き継ぎ事項はまとめておくなどの対策は取った方が良いでしょう。
必要書類が届かないなどの嫌がらせを受ける
退職代行を利用された側は、やはり良い気持ちのしないものです。そのため、会社によっては子どもじみた嫌がらせをしてくることもあります。たとえば、会社に置いてある私物や退職時に受け渡しが必須の重要書類を送ってくれないというケース。
離職票や源泉徴収票などを送らないという嫌がらせは会社側の義務違反になるので、労働基準監督署に相談すれば会社側に指導が入ります。そのため、こちらはあまり心配しなくても良いでしょう。ただし、既に転職先が決まっていて早くに手続きを済ませてほしいという場合は注意が必要です。入社早々、転職先に迷惑をかけてしまうと働きにくくなってしまうので、退職代行業者を通じて確認・促進してもらってください。
また、私物の返却がない場合は、最悪の場合社内で誰かに使われたり、処分されたりして手元に戻ってこない可能性があります。退職代行を使って出勤しなくなる前に、身辺整理を済ませておくようにしましょう。
非弁行為で訴えられ、退職が無効になる
退職代行サービスを利用するうえで最も気をつけなければいけないのは、この「非弁行為」です。非弁行為とは、弁護士の資格を持たない者が、報酬を受け取って法律事務を行うことです。退職代行のサービスにおいては、弁護士以外が会社との交渉をしてしまうと非弁行為に抵触してしまいます。
非弁行為は違法です。このことを知っている会社は、非弁行為を行った退職代行業者を訴えると言い出したり、退職を認めなかったりする場合があります。これは実際に起こっていることです。退職代行の中には、非弁行為にあたる表現・行動をしてしまったケースも一定数あります。
単純に退職の意向を伝えるだけ、会社と依頼者の間で連絡を取り持つなど、「代行」する分には問題ありません。しかし、退職金や残業代の支払い交渉や、退職日の日程交渉など、交渉が絡んでくると話は別です。民間の退職代行においては非弁行為になってしまいます。
もし、依頼した退職代行業者が非弁行為として訴えられた場合、依頼者が有罪になることはありませんが、参考人として聞き込み調査に協力するよう要請が来るかもしれません。そのうえ、他の業者に退職代行を依頼し直さなければならない可能性もあります。余計なトラブルに巻き込まれないためにも、実績豊富な退職代行を選んだり、非弁行為の恐れがない労働組合や弁護士に依頼したりするのが良いでしょう。
有休消化が認められない
有休を使って退職日まで出勤しないで済むようにしたいと考える方は多いです。しかし、会社によっては有休消化を認めてくれないケースもあります。これをそのまま受け入れてしまうと退職日までが欠勤扱いになり、本来もらえたはずの給料がもらえなくなってしまうのです。会社側としては年間5日の有休を消化させていれば法律違反にはならず、有休付与から2年間が経過すれば使わなかった有休は消滅します。そのため、もう辞めるなら有休を使わせないようにしようと考える会社が出てくるのです。
とはいえ、有休の取得は労働者全員に認められている権利の一つ。正当な理由なしに拒むことはできません。このような場合は、退職代行業者を介して粘り強く対応し続けるのが良いでしょう。ただし、退職代行は玉石混合であり、質の低いサービスを提供しているところもあると述べました。このような退職代行だと、会社の頑なな姿勢に負けて「できませんでした」と早々に白旗を揚げてしまうことも……。もし、依頼先があてにならない退職代行だった場合は、労働基準監督署へ相談してみてください。
未払いの給与が支払われない
退職代行で深刻になりやすいトラブル事例が給与の支払いについてです。特に「最後の給料は手渡ししかできない」「未払いの残業代が支払われないまま退職してしまった」という内容が大多数を占めます。本来、労働者が働いた分の対価を支払わないのは違法です。しかし、会社はいろいろな言い訳をつけて支払いを回避しようとします。
タイムカードなどで出退勤の時間を管理していた場合や、パソコンのアクセスログなどから残業していたことが証明できる場合は、一度労働基準監督署に相談してみた方が良いかもしれません。なお、給与を満額支払ってほしいと代理で伝えること自体は、どの退職代行業者でもできます。しかし、未払い請求に関しては弁護士でないとできません。既に給与の未払いが生じている場合に関しては、弁護士の手がける退職代行に依頼するとスムーズです。
会社から執拗に連絡が来る
退職代行利用者の間で一番と言っても良いくらい多いお悩みが、会社からの連絡です。退職代行業者が間に入った場合でも、会社から電話やメールなどで何度も連絡が来ることがあります。会社が連絡してくる理由はさまざまであり、その理由に応じて対策を講じていかなければなりません。これに関しては、退職代行業者が「連絡しないでほしい」と伝えても拘束力がないので、依頼者自身ができるだけ対策することが大切です。
会社からの連絡を防ぐための対策については下記のコラムにまとめてあります。興味のある方はぜひこちらもあわせてお読みください。
関連:退職代行で会社から電話が来た時の対応と連絡させないための対策一覧
退職することが家族(身元保証人)に伝わる
先ほどのトラブル事例に関連する内容になりますが、本人だけでなく家族や身元保証人に会社から連絡が行く可能性があります。一般的には、自己都合退職が理由で家族や身元保証人にまで連絡が行くことはありません。ですが、本人と長期間連絡が取れない状況や会社が貸与した備品の返却に応じない場合などは、会社から確認の連絡が入る可能性があります。
また、近年は退職代行の利用が広がっているので、退職代行を利用したからといって本人以外に確認の連絡が行くことはほとんどないでしょう。しかし、会社によっては親切心や身を案じるあまりに思わず連絡してしまうということもあります。退職代行を依頼するだけでなく、会社に事情を記した手紙を郵送するなどの対策を取っておくと、このトラブルは未然に防ぎやすくなるでしょう。
退職代行業者と連絡が取れなくなる
これは非常に悪質なケースですが、退職代行の料金を支払ったのに退職代行業者と連絡が取れなくなるというトラブルも実際に起きています。
退職代行の認知度が広まったことで、悪徳業者や退職代行を騙る詐欺が横行し始めているのです。悪徳業者や詐欺に引っかからないためには、業者の名前や電話番号で検索をかけて本当に信頼できる会社なのか見極めることが重要です。最近はSNSの情報も参考になることが多いので、ネット検索しても真偽が定かでない場合、SNSで調べてみることをおすすめします。
それから、新しくできたばかりの退職代行は実績がないだけでなく、利益化の見通しが立たずに突然潰れてしまうこともあるので注意しましょう。長年サービスを提供し続けている退職代行を選ぶと安心です。
トラブル回避のポイント
ここまでは、退職代行で起こっている実際のトラブル事例・失敗事例を見てきました。最後に、これらのトラブルを回避するためにはどうしたら良いのかを改めて整理しましょう。退職代行に依頼するときに気をつけるべきポイントをまとめたので、最後までしっかり読んで把握しておくことをおすすめします。
悪徳業者かどうかを見極める
「退職そのものができない」「料金を支払ったら連絡が取れなくなった」などのトラブル事例は、依頼者がただただ損をするだけです。このようなトラブルを防ぐためには、きちんと信頼のできる退職代行に依頼することが何よりも大切になります。以下の項目は信頼度を測る基準になるので、退職代行の選定時に役立ててください。
- 料金の案内が明確でない
- 料金が極端に安い(民間:30,000円/弁護士50,000~100,000円が相場)
- サービス内容が明記されていない
- オプションや初期費用の有無が不明
- 成功率や実績についての記載がない
- 問い合わせの反応が極端に遅い
- 返答がいいかげん
料金とサービス内容をよく確認する(特に非弁行為)
これはとても重要なポイントです。たとえば退職代行を依頼するだけでなく、有休に関する交渉や未払いの残業代を支払ってほしいという交渉なども同時に依頼したい場合は、非弁行為に抵触しない労働組合か弁護士が提供する退職代行を選ぶ必要があります。
また、退職代行によっては交渉や請求には追加オプションの選択が必要で、基本的な料金よりもさらに費用がかかることもあるので、どこまでが基本のサービスに含まれるのかをしっかり確認しておくことが大切です。退職代行を選ぶ前に事前相談する方は多いと思いますが、相談時には自身の依頼したい内容を整理しておくことをおすすめします。ほとんどの退職代行はキャンセルによる払い戻しができないので、料金とサービス内容が明確になってから依頼しましょう。
弁護士が関わっている業者を選ぶ
弁護士が提供する退職代行は、総じて料金が高い傾向にあります。未払い残業代の請求などがない限り、そこまでのサポートはいらないという方も多いでしょう。すると、料金が安い他の業種に頼むことになりますが、前述した通り非弁行為にあたらないかどうかが大きな問題です。
民間企業や労働組合による退職代行の場合、きちんとした業者はサービスの適正化を図るために顧問弁護士を雇ったり、弁護士監修の下でサービス提供したりしています。そのため、非弁行為に抵触してしまう恐れがありません。また、労働問題にも強い専門家が付いていることで、サービス品質にも期待できます。弁護士が関わっているサービスかどうかというのは、無用なトラブルを避けるために重要な判断材料になり得るのです。
退職代行の選び方次第でトラブルは避けられる
今回の記事では、退職代行を利用した場合のトラブル事例や失敗事例、そして回避方法をまとめました。
悪徳業者や詐欺ではない、きちんとした退職代行を選んで依頼すれば、退職代行で起こりやすい多くのトラブルは回避できます。どの退職代行に依頼するかはあなた次第ですが、退職にあたって何をしてほしいのかを明確にしてから業者探しを始めるのがおすすめです。
数ある中から探すより、絶対に信頼できる退職代行の中から選びたいという方は、おすすめの退職代行10選をランキング形式でまとめたコラムがあるので、そちらも参考にしてみてください。コラムは下記のボタンからご覧いただけます。