ネイリスト辞めたい!みんなの本音と転職活動で使える辞めた理由

ネイルが好きでネイリストになったのに、憧れていた世界と全然違った……。
そんなギャップを感じて「ネイリストを辞めたい」と退職を考える人も少なくありません。そこでこのコラムでは、サロンを辞めたいと考えているネイリストの声を集めました。それらをもとに、転職活動の面接で使える「辞めた理由」をご紹介します。

人間関係が良くない

ネイルサロンは女性ばかりの職場ということもあり、社内イジメや派閥争いが起こりやすい傾向にあります。せっかくネイリストになっても、職場の雰囲気が悪いと働くのが苦痛になりますよね。結果として「出勤したくない」「辞めたい」と考えるようになってしまうのです。実際、ネット上にはこのような声がありました。

機嫌が悪いと誰にでも怒鳴りつけるスタッフがいて、その人と同じシフトのときは本当にびくびくしていました。
また、誰かを非難するときはお客様の目の前でも気にせず説教し始めるので、すごくいたたまれない気持ちでしたし、お客様にも申し訳なかったです。

どうしても一緒に働きたくない後輩がいます。失敗しても言い訳ばかりして反省せず、練習中もダラダラとして学ぶ気が感じられません。他の後輩と違って仕事に関する質問をしている気配もなく、やる気のなさにイライラします。

何か気に障ることをした覚えはないのですが、先輩から陰口・悪口を言われて辛いです。それが本社の人にも伝わって、本社からもあることないことで注意を受けます。サロンには他に頼れる人もいませんし、出勤するのが憂鬱すぎてもう辞めたいです。

ネイリストのメイン業務である施術であれば個人作業なので、多少人間関係が良くなくてもやっていけるでしょう。ですが、上記のように明らかなストレスや障害になっているのであれば、我慢して続けるよりも思い切って辞めた方が良いかもしれません。

どの職場でも一人くらいは気が合わない人がいるもの。実は、他の業種でも退職理由の上位になっているのが人間関係です。同じように悩んで退職を決意する人は他にもたくさんいるので、次のキャリアを考えてみるのも一つの手です。

教育制度がきちんとしていない

ネイリストを辞めていく人の多くが新人ネイリストです。スクールや専門学校を卒業し、ようやくネイリストになれたにもかかわらず退職者が多いのは、教育制度の未熟さに理由があります。

ネイルの技術は学校や独学である程度学べますが、実際にお客様の爪を施術するときの緊張感や、こまごまとした事務作業、接客スキルなどは実務を通じて徐々に身につけていくものです。教育担当の人がきちんと教えてくれなければ、慣れるものも慣れないでしょう。しかし、実際のネイルサロンはマニュアルや制度がきちんとしていないことが大半です。

1年先輩の教育担当の人は雑務を押しつけてくるだけでたいしたことは教えてくれません。
しかも教育担当と店長とで言っていることが違うので困ります。

デモンストレーションどころか先輩のチェックも何もなく、いきなりお客様をあてがわれました。しかも短い時間で施術しなければならないので本当に辛いです。未熟なのに短時間で無理やり仕上げるのでクレームにつながり、お客様からも店長からも怒られます。

研修2日目でたいした指導もなくお客様を担当することになりました。その後も1日に7~8人ほどお客様を入れられているのですが、回転率を重視するサロンなので仕上がりが悪くても時間までに終わらせなければいけません。それでも所定の時間を毎回超えてしまうので、休む暇もなくもう疲れ果ててしまいました。

回転率を重視する安いサロンほど、新人をすぐに第一線で使います。技術も接客も未熟なまま施術に入らなければならないので心身共に負担がかかり、早くに辞めてしまうネイリストが多いのです。

無理な労働

ネイリストの仕事はかなりの激務。施術だけでも忙しいのに、施術以外の事務作業や練習など、やるべきことが山積みです。もちろん時間外労働は当たり前。お昼休憩が取れないときもあります。

入社してからは1日平均10人を施術するのがデフォルトで、働き過ぎたせいか腱鞘炎になってしまいました。最初のうちは痛み止めで誤魔化していましたが、今はもう痛み止めが効かず日常生活にも支障が出るほどです。

まだ歴1年のアルバイトですが、お客様の予約状況によっては急遽休日出勤しなければいけないことがあります。でも、休日出勤したからといって代休がもらえるわけではありません。休日手当もありません。

ネイルサロンは個人経営のところも多いので、法律をきちんと守っていない(知らない)サロンもあります。そのため、一般企業であればもらえるはずの傷病手当や休日手当などがもらえず、どうにか耐えながら働いているネイリストも珍しくありません。

ですが、こういったブラックなサロンはなかなか体制を変えることが難しいので、キツいと思ったら心身が壊れる前に辞めた方が賢明です。

待遇が良くない

ネイルサロンだけでなく、美容室やエステサロンなど、他の美容業種にも言えることですが、サロンは一般企業と比べて給料や福利厚生などの待遇が良くないことが多いです。そのため退職する人が後を絶たず、ネイリスト自体を辞めてしまう人も出てきてしまいます。

正社員として勤めていますが、福利厚生がないので産休や育休制度がありません。子どもができても何の保障もないので、どのスタッフも妊娠を機に辞めていきます。

ネイリスト検定1級を持っていますが、技術に関係なくスタッフ全員同じお給料です。うちは指名制でもないので、どれだけお客様を取ってもお給料が増えることはありません。

ネイリスト1年目、手取りは11万程度です。しかも福利厚生がないので、そこからさらに国民年金や国民保険、住民税などを自分で支払います。お給料が少ないことは覚悟していましたが、採用の時点で聞いていたお給料より少なく、先行きが不安で苦しいです。

一説には、ネイリストで一人暮らしは無理という声も。ネイリストの収入は雇用形態や歩合給の程度、役職などによって変わりますが、平均年収は200~300万円といわれています。

仮に年収が200万円だった場合、月収はおよそ16万円です。ここから税金や社会保険料が差し引かれ、生活費として家賃、光熱費、食費などが消えていきます。結果、手元に残るお金はほとんどなく、貯金しようにもできません。最初のうちは特にお給料が低いので、生活の安定を求めて他業種に転職する人も多いのです。

ネイルサロンを退職する流れ

退職するまでのステップは3つ。まずは退職したいと直属の上司に相談します。話が付いたら、次に退職届を提出(サロンによっては退職届の提出が必要ないところもあります)。最後に引き継ぎや貸与品の返却をして終わりです。

引き継ぎと言っても、事務作業は他のスタッフもだいたいできるでしょうし、絶対にやらなければいけないことは、固定のお客様に最後の挨拶をすることくらいしかありません。ですから、一番の難関は上司に退職を申し出て納得してもらうことです。

そもそも退職が多い業界なので、退職したいと言えば「またか」と案外あっさり受け入れてもらえることもあるかもしれません。ですが、サロンの多くは人手不足なので、引き留められる可能性が高いでしょう。このとき、自分の意思を貫き通さないとズルズル居続けることになります。毅然とした態度で断ってください。

自分ではなかなか言い出せない、あるいは退職したいと言ったのにまったく受け付けてもらえなかったという方は、退職代行サービスの利用を検討してみるのも一つの手です。退職代行に頼めば、翌日から出勤せずに最短2週間で辞めることができます。しかも、退職するまでのやり取りは全部退職代行に任せられるので、厳しい上司や嫌な先輩と直接関わる必要もありません。

退職代行について詳しく知りたい方は、下記のコラムも読んでみてください。

関連:「今すぐ辞めたい」会社を即日退職できるおすすめの退職代行サービス

転職活動で使える退職理由3選

人間関係や待遇の悪さが理由で辞めたとしても、転職活動時にそれをそのまま伝えるのは好ましくありません。事実がどうあれ、「協調性がない」「給料のことしか考えていない」など、面接官に悪い印象を与えかねないからです。

では、どのような退職理由を答えたら良いのでしょうか?最後に、面接時に好印象を与える退職理由を3つご紹介します。

①美容に関する知識を広げたい

ネイリストを辞めても、美容に関係のあるところで働きたいと考える人は多いです。美容関係の別業種に転職する場合は、美容が好きという気持ちをアピールしていくのが良いでしょう。

OK例
もともとおしゃれが好きでネイリストになりました。施術をしながらお客様とおしゃれについて話すことも多く、そのような日々を送る中でネイル以外のおしゃれにも携わりたいと思うようになったのが、転職を決めた理由です。ネイリストとして培ったトレンドへの敏感さや、色彩感覚などは、ファッションの仕事にも活かせると考えています。

②新しいことに挑戦したい

まったく違う業界・業種に進む場合、その理由を必ず聞かれます。しっかり納得してもらえるように、志望動機に寄せた退職理由を述べることが大切です。

OK例
前職のネイルサロンでは、顧客管理や売上管理をすべて税理士任せにしていて、現場で働くスタッフは誰も自店の売上や集客状況を正しく把握していませんでした。そこで、サロンでも簡単に管理ができるツールの導入を提案したところ、ツールの活用によってサロンでも売上・集客管理ができるようになり、サービスの見直しやスタッフのモチベーションアップができました。このことを通じて、事務として会社全体を支えることで貢献したいと考えるようになり、このたび事務職を志望しました。

③家族のために安定した生活をしたい

給料の低さや労働時間の長さが理由で退職し、それ以外に主だった理由がない場合は、素直にそのことを告げて大丈夫です。ただ、伝え方は工夫した方が良いでしょう。

OK例
給与が低く、労働時間が長かったことが直接的な理由です。11時間労働・月に6日の休みで、月収は手取り17万円程度でした。親が経済的な支援を必要とする状況になり、サロンで働き続けるのは難しいと考え転職を決めました。

サロンだけがすべてではない!

ネイリストは技術力が上がったり、お客様に喜んでいただいたりと、やりがいを感じられる場面の多い仕事です。その一方で、待遇の悪さや人間関係での悩みが生まれやすく、他業種に転職する人が多いのも事実。

今ネイリストを辞めたいと考えている方の中には、ネイル以外の仕事でやっていけるのかと不安な方もいるかもしれませんが、世の中にはたくさんの仕事があります。案外、ネイリスト以上の適職が見つかるかもしれません。思い切って新しい場所へ飛び込んでみるのも悪くないですよ。