退職代行で会社から電話が来た時の対応と連絡させないための対策一覧

退職代行で会社から電話が来た時の対応と連絡させないための対策一覧

退職代行に依頼した後は、一切会社と連絡を取りたくないという方も多いのではないでしょうか。いつ会社から電話が来るか分からない日々を過ごすのは不安で仕方ないと思います。

そこでこの記事では、退職代行を利用した場合でも会社から電話がかかってきた時の対応方法と、そもそも連絡が来ないようにするための対策をご紹介します。会社とのやり取りが不安で退職代行の利用を迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

退職代行利用後も会社から電話は来る?

残念ながら、退職代行を利用したとしても会社から電話がかかってくることはあります。ほとんどの退職代行業者は、退職の意向を伝える時に「○○さんには連絡をしないでください」と言ってくれるので、実際に会社からメールや電話が来ることは少ないです。しかし、なかにはそれを無視して何度も連絡してくる会社もあります。

それでは、会社から電話やメールが来る理由ごとに、それぞれのケースの対応方法を見てみましょう。

会社から電話が来る理由と対応方法

退職代行業者を通して「会社を辞めたい」「連絡はしないでほしい」と伝えたにもかかわらず、なぜ会社から電話やメールが来るのでしょうか。考えられる主な理由を3つご紹介します。それぞれの理由に合わせた適切な対応方法をお伝えするので、もしもの時は役立ててください。

1.本人に事実確認を取るため

退職代行が広まってきているとはいえ、どの会社もまさか自社の社員が退職代行を使うとは考えていません。昨日まで普段通りに働いていた人が出社せず、退職代行業者から退職の意思を伝えられても、にわかには信じられないという会社が多いでしょう。

何があったのか、どういう経緯で会社を辞めたいと思ったのかを知るために思わず連絡してしまうケースは十分に考えられます。そのほか、業者が信頼できるのかを判断するため、本当に退職代行を利用したのかを確認したいだけということもあるでしょう。

また、退職代行を騙って何者かがあなたを退職させようとしている可能性もあり得ないことではありません。何らかの事件に巻き込まれているのではないか、誰かから悪質な嫌がらせを受けているのではないかと心配し、安否確認も兼ねて電話してくるケースも考えられます。

対応方法

大前提として会社からの電話やメールに応じる必要はありません。まずは会社から連絡が来たことを退職代行業者に告げ、どのような要件で連絡してきたのかを聞いてもらいましょう。そのうえで、退職を決めるに至った経緯や連絡は業者を通じてしてほしいという旨を手紙(直筆)に書いて送ることをおすすめします。その際、「一身上の都合のため」という曖昧な理由ではなく、一言でも良いので本当の理由をきちんと書いておくと、その後の連絡は途絶えるはずです。

2.退職を思いとどまらせるため

人手不足の場合や忙しい時期などは特に、退職を引き留められがちです。また、あなたが優秀な人材の場合には時期や状況に関係なく退職を思いとどまらせようとするでしょう。辞められたら困るという理由であれば会社にとって重要度が高い事項なので、あなたの意向にかかわらず会社から電話がかかってくる可能性は十分にあります。

また、会社に私物が置きっぱなしになっていたり、引き継ぎができていなかったりすると、せめて身辺整理や引き継ぎが終わるまでは出社してほしいと電話がかかってくることも。退職自体を止めるわけではないけれども、一区切りつくまで先延ばしにしたいという会社は少なくありません。

対応方法

会社から電話が来ても、ほかの理由であれば無視し続けることでそのうち諦めてもらえます。ですが、この場合だと会社も必死なので何度も何度も電話やメールが来ることが考えられます。あまりにも煩わしいようであれば、着信拒否や迷惑メール設定をするのも一つの手です。

また、事実はどうあれ退職代行業者に次の転職先が決まっていると伝えてもらうことで、既に引き留めることはできないと思ってもらえるかもしれません。

3.嫌がらせのため

自分で退職を申し出ず、第三者に任せて自分はもう出社しないというのは失礼だと思う上司もいるでしょう。その不満を晴らすために、連絡を止められていても電話をかけてくる場合もあるのです。また、退職代行を使われる会社はブラック企業が多いという認識が少なからずあります。会社のイメージダウンになりかねないと危惧した結果、利用を中止させるべく嫌がらせのように繰り返し電話をかけてくることもあるかもしれません。

対応方法

単に不満の捌け口になっているだけなので、わざわざあなたが取り合う必要はありません。迷わず着信拒否と迷惑メール設定をしましょう。別の番号からもかかってくる心配があるなら、電話番号を変えても良いと思います。

そこまではしたくないという場合、退職代行業者を通じて「一種のパワハラだから労働基準監督署に訴え出る」と伝えてもらうのもおすすめです。なお、実際にパワハラで訴えたいという場合には会社からの執拗な連絡も証拠の一つになり得るので、会社から電話やメールが来た履歴は取っておくと良いでしょう。

会社から電話が来ないようにする予防策

対応方法が分かったとはいえ、そもそも会社から電話やメールが来ないに越したことはありません。事前に対策を取ることで会社から電話がかかってくる確率を下げることができます。ここからは退職代行実施前にしておくと良いことを詳しくご紹介します。

身辺整理や引き継ぎの準備をする

できるだけ会社からの電話やメールを避けるために、退職に必要なやり取りは最小限で済むよう準備しておくのがおすすめです。私物は少しずつ持ち帰り、会社の備品や仕事で使う書類はどこに何があるかが分かるようにしておきましょう。

また、引き留められる主な要因は引き継ぎなので、マニュアルや引き継ぎ資料の作成・更新を進めておくと良いですね。引き継ぎが不十分だと退職後にも連絡が来る可能性があります。抜け漏れはないかしっかり確認しておくことが大切です。

退職願を用意する

退職届は、退職することを届け出るための書類なので、退職届を提出することは「退職手続きをしてください」という意思表示になり、退職を確定させる役割があります。一方、退職願はそれよりも効力が弱く「退職させてほしい」と労働契約の解除について合意を求める書類です。

退職代行を実施してもらう前に、退職願を用意しておきましょう。できれば提出するのがベストですが、それができなくて退職代行を依頼する方もいると思います。直接の提出が難しい場合はデスクにしまっておいて退職代行業者から退職願の存在を伝えてもらうか、出社しなくなった後に郵送で届くよう手配するのがおすすめです。

退職願には退職理由やあなたの気持ちを書いておくことで、事実確認のための連絡を防げます。この書き方でなければならないということはないので、簡単な文面でも構いません。以下に例文を記載しておくので、これを参考に書いてみてください。

このたび、誠に勝手ながら○○年○月○日をもって退職したく、ここにお願い申し上げます。
ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、心身共に限界でこれ以上働き続けることはできません。苦渋の思いで退職代行を利用いたしました。
退職するまでに必要なことは退職代行業者を通じてご連絡いただきますようお願い申し上げます。

伝言をお願いする

もう仕事をしたくない、特定の人とだけ連絡を取りたくないという場合で、信頼できる同僚や上司がいるときは、連絡してこないよう彼らに伝言を頼むのも一つの手です。それが難しい場合は、このような人々に退職しようと思っていることを事前相談すると良いでしょう。以前から退職を考えていたという事実ができることによって、退職代行の利用を受け入れてもらいやすくなります。

社内には信頼できる人がいない、誰とも連絡を取りたくないという場合は、退職代行業者に伝言を頼みましょう。どうして退職したいのか、なぜ連絡をしてほしくないのかを詳しく伝えてもらうことで、会社から電話が来る可能性が低くなります。

会社から電話がかかってくる可能性

上記の対策を取ったとしても、100%会社から電話がかかってこないとは言い切れません。なぜなら退職代行サービスにも上記の対策にも法的拘束力は一切ないからです。会社側からすればあなたの希望を聞く義務はないので、会社が直接連絡を取りたいと考えたなら、それを確実に止める手立てはありません。

とはいえ、「本人が連絡取りたがっていない」ということを知ってもなお、電話をかけてくる会社はほとんどないのが事実です。というのも、会社からしてみれば直接の連絡を拒否している人に労力を割くのは無意味であり、会社の利益には繋がりません。

また、無理やり連絡を取ろうとすれば、かえって事態を悪化させる恐れもあります。何度もしつこく会社から電話が来たことに恐怖心や絶望感を抱き、退職代行業者との連絡すら絶ってしまうかもしれません。そうすると、引き継ぎなどが十分でないまま雇用契約を解除せざるを得ないので、会社の不利益に繋がりやすくなってしまいます。

それだけではありません。会社から電話がかかってくることが強いストレスとなり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病になった場合、労災請求や損害賠償請求をされるリスクが出てきます。金銭面的なダメージはもちろんのこと、会社のイメージダウンになるなど会社の不利益は増すばかりです。

このような理由があるため、会社から電話をかけないでほしいと伝えさえすれば、実際に連絡が来ることはほとんどありません。

まとめ

今回は退職代行を利用した際に会社から電話が来たらどう対応したら良いのか、そもそも連絡が来ないようにするためにはどう対策すべきかを中心にご紹介してきました。また、きちんと意思表示さえすれば実際に会社から電話かかってくる可能性は低いということをぜひ覚えておいてください。

退職代行は会社と直接やり取りする必要が一切ない便利なサービスです。退職するまでに必要なやり取りはすべて退職代行業者が仲介してくれます。もう出社したくないという方や、会社の人とは話もしたくないという方におすすめです。

会社からの電話が来るのが不安で退職代行の利用を迷っていた方は、どうぞ安心して依頼してください。無料で事前相談を受け付けているところも多いので、まずは相談だけしてみるのも良いでしょう。