退職代行を使うと退職金はもらえなくなる?
会社を退職する時に頭に思い浮かぶのが「退職金」や「有給消化」ではないでしょうか。
退職金がもらえるかどうかは、会社の規定によって決まりますが、多くの会社には退職金に関する決まり事があります。
それでは退職代行サービスを利用して会社を退職した場合にも、この決まり事は適応されるのでしょうか。退職代行サービスを使った際に退職金がもらえるかどうか、解説していきます。
目次
退職金がもらえるかどうかは退職代行を使ったかどうかは関係ない!?
退職金がもらえるかどうかは、会社によって異なります。
法律で定められているものではないため、会社の会社規定で定められている決まり事、あるいは会社の慣習によって支払われるかどうかが決まります。
会社規定に退職金について明記されており、退職金の決まり事がある場合
退職代行サービスを利用したかどうかは関係なく、退職金が支払われます。
会社規定に退職金が出ない旨が記載されているか、決まり事が無く過去にも支払われた事例がない場合
退職代行サービスを利用したかどうかは関係なく、退職金は支払われません。
会社規定に退職金についての明確な決まり事は示されていないが、慣習的に支払われている場合
退職金が支払われる条件が明確でないため、「退職代行を使ったから」という理由で退職金が支払われない可能性があります。交渉により支払いを可能にすることもできますが、交渉は本人か弁護士がおこなわなければなりません。
このように、会社によって退職金が支払われるかどうかは異なります。
会社規定に退職金が支払われる条件が明記されていれば100%もらえる
例えば、「勤続年数5年以上で給料の〇%」や、「勤続年数3年以上で〇円」など、退職金についての条件や決まり事が会社規定に明記されている場合、その条件を満たしていれば退職代行の利用の有無は関係無く退職金を受け取ることができます。
会社規定に明記してあるにも関わらず、後付けで「退職代行を使ったから」や「引き継ぎをしなかったから」という理由で退職金を支払わない会社はほとんどありません。
なぜなら、支払うべき退職金を支払わないことにより、訴えられたり口コミで悪い評価を書かれたりするリスクがあるためです。
引き継ぎをしなくても退職金はもらえる?
退職代行サービスを使って即日退職した場合、業務の引き継ぎができずに退職となってしまうことがあります。
引き継ぎをおこなわなかったからといって、会社が退職金を払わない理由にはならないことがほとんどです。会社規定の条件を満たしていれば、定められた退職金をもらえるのが一般的です。
ただし、引き継ぎをおこなわなかったことにより会社に甚大な不利益を及ぼした場合には、退職金が支払われないケースもあります。
しかし、在職中の功績や会社への貢献が全て減殺されるほどの不利益を招いたと裁判で認められることはほとんどありません。よほどのことが無い限り、引き継ぎをおこなわなかったことが退職金を支払わないほどの正当な理由にはなり得ないと言えるでしょう。
退職金がもらえるかどうかは事前に会社規定をチェック
会社規定については、情報の漏洩を防ぐために会社内でしか確認できないように厳重に管理されている会社もあります。
退職を考えた時に、退職金がもらえるかどうかは、必ず在籍中に会社規定をチェックして掌握しておきましょう。
勤続1年であっても退職金が支給される会社もあれば、勤続3年以上となって初めて退職金支給の対象となる会社もあります。
退職代行サービスを利用して会社へ行かなくなってから、会社規定が分からずに退職金が支払われるのかどうか分からない、ということにならないよう、気を付けましょう。
勤続3年以上でなければ支払われないところ、1年半で退職し、退職金を請求してしまったということにならないためにも、普段からこまめに会社規定をチェックしておいて、頭の中に退職金や有給休暇などについての情報を入れておくのも良いでしょう。
退職金だけでなく有給消化も忘れずに!
退職金がもらえるかどうかは会社によって異なりますが、有給については全ての労働者に平等に与えられる権利なので、これは必ず消化できます。
正社員だけでなく、アルバイトにも有給はありますので、会社規定をチェックしておきましょう。
有給消化については、退職代行サービス利用時に、何日分の有給があるため、消化して〇日づけで退職したいという旨を伝えれば、そのまま会社へ伝えてくれます。
自分の有給が何日残っているのかきちんと把握しておくと良いですが、万一何日残っているのか分からない場合には、会社に確認してもらうよう伝えてもらうこともできます。
退職代行を使って退職した際の有給消化については、詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
退職代行を使っても退職金がもらえるかどうかは、会社によって異なります。
会社規定で退職金について定められている会社は、その条件を満たしていれば退職金を支給します。また、引き継ぎをおこなわなかった場合にも、よほど甚大な不利益を会社に与えない限りは問題無く退職金が支給されます。
退職につきものの、退職金と有給消化については、会社規定をきちんと把握して、退職代行スタッフと連携して会社に確認して手続きを進めるようにしましょう。
退職金に関するポイント
- 退職金がもらえるかどうかは会社規定や慣習次第
- 退職金についての条件や決まり事が会社規定に明記されている場合は、その条件を満たしていれば100%受け取れる
- 退職代行を使っても退職金がもらえるかどうかは、会社によって異なる