調剤薬局事務を辞めたい…辛い理由と具体的な対処法を解説

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医療現場の仕事は、全国的に需要が高く安定しているため、なりたいという人も多い職業です。
主婦のパートとして、また、資格を取ってどこでも働けるようになりたいという転職者にも人気で、仲でも医療事務や調剤薬局事務など、事務系の仕事は最初は無資格でも就職できるということもあり、毎年多くの人が就職しています。

しかし、医療現場はどこも常に忙しさと「ミスできない」緊張感でいっぱいで、かなりストレスが溜まる仕事環境です。
これは何も、医師や薬剤師、看護師など直接医療に従事する職業の人たちに限ったことではありません。

医療事務、調剤薬局事務といった事務職であっても同じようなストレスに飲まれてしまうことが多いのが現実です。

今回は、調剤薬局事務の仕事を辛いと思ってしまう理由と、それぞれの具体的な対処法をご紹介します。もう無理かもしれない…と悩んでしまったら、是非最後まで読んでみてください。

調剤薬局事務の仕事が辛い理由

調剤薬局事務の仕事が辛い理由を6つにまとめてみました。
一般的な仕事と同じく、人間関係や待遇などについての理由で「辞めたい」と感じることもありますが、今回は調剤薬局事務ならではの仕事が辛い理由を挙げていきます。

1.覚えることが多く複雑な上にミスができない

調剤薬局事務では、当然ですが薬を扱います。
薬の選定や説明などは薬剤師が直接おこないますが、処方箋の内容を伝達したり、請求書を作成したりする際には必ず薬品名が必要になります。

この薬品名ですが、普段の生活ではまず耳にしないような難しいカタカナやアルファベットが羅列していて非常に覚えにくいです。
また、似たような薬の名前もありますし、最近ではジェネリック薬品の普及も広がり、同じような効果が得られる薬でも薬品名が異なるケースがあります。ジェネリックなのか、そうではないのか、それぞれの薬がいくらで、どのような薬なのか、全て頭に入れなければなりません。

常に新薬が開発され、研究が進められるために薬の効力や副作用についての情報が変わることも多く、こういった新情報や情報の変更にも即座に対応していかなければなりません。

覚えることが非常に多い仕事であるため、特に未経験で就職したばかりの最初の数ヶ月はとても辛い経験をする人が多いです。

2.窓口に立つためクレーム対応をしなければならない

調剤薬局事務は窓口でお客さん(患者さん)と薬剤師をつなぐ役回りを任されることもあります。
そのため、クレームの第一対応をしなければならないことが多く、これをストレスと感じて仕事が辛いと思ってしまうことがよくあります。

事務の仕事なんだから、裏方でパソコンだけ叩いていれば良いと思っていたのに…という人も少なくなく、対人業務が辛いと感じて辞めたくなることがあります。

3.保険請求業務など煩雑な仕事が多い

医療保険は非常に複雑です。
一般的には病院にかかる人の自己負担額は3割となっていて、7割は保険会社に請求しなければなりませんが、人によっては1割負担、2割負担、ということもあり、中には子どもは全額保険適用となる市区町村もあります。
人により、いくら保険会社に請求するか変わり、更に保険会社に請求する際には非常に細かい書類に必要事項を入力しなければなりません。

この作業は面倒なものでもあり、ミスがあると後でカバーするのが更に厄介になることなので、この細かい業務が辛いと感じる人もいるようです。

4.残業が常態化している

調剤薬局事務はパートなどでも働けるイメージが強いですが、実際には病院にかかる人が多く処方箋を持ってくる人が多い日などには、業務が多くなり残業が必要となります。
季節によって風邪やインフルエンザが流行すると、薬局は大忙しになります。そんな時に調剤薬局事務だけが「時間なんで帰りまーす」というわけにはいかず、必然的に残業しなければならなくなります。

残業が増え、それが当たり前になると、残業することに対する感覚が徐々に麻痺してきて、「時間内に終わらせなければ」という気概が低下していきます。
これが残業の常態化につながり、業務の効率化を図ることなくダラダラと残業してしまう雰囲気が根付いてしまうのです。

5.病気を移されるリスクと隣り合わせ

薬局に務めるということは、やって来るお客さん(患者さん)は、何らかの身体の不調を抱えています。持病などで移るリスクのないケースも多いですが、中には風邪や伝染病など、感染リスクの高い病気を患った人がやってくることもあります。

調剤薬局事務は必ずマスクを着用しますし、除菌等には気を遣う仕事ですが、それでも病気が移ってしまうリスクとは常に隣り合わせの状態です。

調剤薬局事務になる以上は、これを承知の上で就職する人がほとんどですが、中には「予想以上に気になる」「想像していた以上に病気が怖い」と感じてしまう人もいるようです。

6.責任ある仕事の割に給料が低い

調剤薬局事務は、資格も経験もいらない仕事であるため、基本給や時給は比較的低いです。
しかし、実際の業務内容は非常に煩雑で高度なもので、ミスが許されないシビアな仕事となっています。

これだけ責任ある仕事なのに、それに見合った報酬がもらえない…と感じてヤル気を無くしてしまったり、しんどいと感じてしまうことにより「辞めたい」と思ってしまうのです。

調剤薬局事務の仕事が辛いと感じた時の対処法

調剤薬局事務の仕事が辛い、もう仕事を辞めたい、と感じてしまったら、まずはこれから紹介する対処法を試してみてください。

1.薬の名前や知識は工夫して覚える

覚えなければならない事が多い調剤薬局事務の仕事において、知識を蓄えることは避けて通れない道です。

自分なりに工夫して覚えるようにしましょう。

具体的には、

  • 毎日に出退勤の道中で暗記する(音声や暗記長をフル活用)
  • 毎晩必ず○個ずつ薬の知識を身に付ける
  • 分かりにくいものや間違いやすいものは目につく場所に違いをまとめたメモや付箋を貼っておく
  • 気付いたことや、新しく知った情報はすぐにメモするクセをつけておく

等の方法が挙げられますが、効率的な覚え方は人それぞれなので、自分なりの方法を模索してみましょう。

2.クレーム対応や失敗の自己嫌悪によるストレスは「気にしない」のが一番

クレームを受けてしまったり、自分のミスに落ち込んだりしてしまったりしてストレスを感じたら、この対処法としては「過度に気にしない」のが一番です。

簡単に言われてもそれが難しいのに…という方は

  • マインドフルネス
  • ストレスコントロール
  • アンガーマネジメント

など、自分の精神状態を意図的にコントロールすることができる方法を学んでみてはいかがでしょうか。

ちょっとした知識や、テクニックによってメンタルは変えることができます。
「気の持ちよう」も大切ですが、気合や思い込みだけでどうにかなるものではないため、専門的なテクニックを学び理論的に感情をコントロールできるようになりましょう。

3.複雑な仕事に嫌気がさしたら一旦整理してみる

請求書の処理などの複雑な仕事に嫌気がさしたら、自分の中で整理して無駄なくスムーズにスピーディーにミスも少なく仕事が進められるよう「業務の進め方」のテンプレートなどを作ってみましょう。

手順書を自分で作って、その通りに機械的に業務をこなすだけで、あれやこれや考えて頭の中がぐちゃぐちゃになることが減ります。

タスクを見やすく箇条書きにしておいて、完了したものにはチェックをつけていくという方法も有効です。
複雑な仕事が山積みになっていると、その存在だけで頭痛がしてきそうですが、ひとつひとつ紐解いて、順番に片付けていけばスッキリとノンストレスで仕事を進めていけるようになります。

4.残業の多さや業務の負担の大きさは上司に相談

残業が常態化していたり、過度な負担がかかる業務を任されたりしている場合、物理的、身体的にきついと感じたらひとりで抱え込まず上司に相談してみましょう。

また、主婦の方で子育てや家事と両立しなければならないという家庭の事情がある場合も、無理しすぎずに相談することが大切です。

自分にはこうこうこういった事情があって、残業が多いのは辛い、ということを言葉で説明できれば、上司も納得して割り当てる業務を考えてくれるはずです。
相談したにも関わらず「みんな大変なんだから甘えるな」や「楽したくてこの仕事を選んだわけじゃないだろう?」などと言われてしまったら、そこはブラック薬局である可能性が非常に高いです。ブラックな職場は早急に退職して新しい職場を探した方が良いので、この場合は転職を真剣に考えましょう。

5.病気の予防は先輩や上司にもコツを聞いて徹底して

薬局に勤める以上、常に病気を移されてしまうリスクが付きまといます。
分かってはいたけれど、やっぱり怖い…と怯えてしまうのであれば、薬剤師や医師、看護師、先輩、上司など、同じ職場で働く人々にどのように予防しているか聞いてみましょう。

こんな工夫をしているよ、といった予防方法や、長年勤めているけどこうして元気にやってるよ、といった安心材料となる言葉を得られれば精神的にはかなり安心することでしょう。

それでも不安で、病気が移るかもしれない…という強迫観念にかられてしまい仕事へ行くことが拷問のように感じたら、はっきり言ってあなたにとって薬局で働くことは向いていません。早く退職して病気とは無縁の職場で働きましょう。

6.給料の低さは資格を取得して解決を目指す

業務の責任に対して給料が低いという問題ですが、これについては、調剤薬局事務として2年働くと資格を取得できるようになります。これによって、昇給や、資格が必要となる医療現場の仕事への転職が実現できるようになります。

医療関係の仕事は日本全国どこに行っても必要とさせる仕事ですので、冒頭で少し触れた通り、ある意味ではとても安定している職業です。
育児などで一時的に現場から離れても復帰しやすいという利点もあり、働く女性にとっては人気の業界ですので、この業界で働き続けたい、キャリアアップしていきたい、という方は最初の2年は我慢して、資格取得をモチベーションに乗り切ってみてはいかがでしょうか。

それでも辛くて辞めたくなったら…

調剤薬局事務の仕事が辛くて辞めたいという理由や動機への対処法をご紹介しましたが、これらを試してみても、やっぱり辞めたい…もう無理…という方は、無理して続けるのではなく、自分が本当に幸せに働くことができる新たな仕事を探してみてください。

その際には

  • 調剤薬局事務という「仕事」が嫌なのか
  • 今勤めている薬局(=「職場」)が嫌なのか
という点を明確にしましょう。

仕事そのものが嫌ならば、他業種へ転職となりますし、職場が嫌ならば同じ調剤薬局事務として別の薬局に転職するのがおすすめです。

今すぐにでも辞めたいという場合は退職代行の利用も考えて

調剤薬局事務を辞める際には、勤め先の規定に基づいた条件のもと、退職することとなります。1ヶ月、あるいは2ヵ月以上前までに退職の意向を申し出なければならないという薬局が多いため、すぐに退職するのは難しいです。

でも、もう嫌だ!今すぐにでも辞めたい!明日から出勤したくない!!と強く思うこともありますよね。
そんな時には退職代行を利用してみてはいかがでしょうか。

即日退職が可能で、職場に行くことなく、上司や同僚と顔を合わせることもなく、スムーズに退職できるサービスで、すぐに辞めたいという「限界」を迎えた人におすすめです。

もし、すぐ辞めたいけれどどうしたら良いか分からない、という方は、まずは退職代行に問い合わせてみましょう。

まとめ

  • 医療事務は業務が煩雑で残業が多い割には給与が安い
  • 安定している職業なので、資格の取得や業務の効率化などで乗り切りきれればよいが、無理して続けるのはよくない
  • 今すぐにでも辞めたいときはまずは退職代行に問い合わせ