仕事の辞め癖を治す方法

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「職を転々とする人」と聞いて、どのような印象を持ちますか?
飽きっぽい、打たれ弱い、甘えている、など、あまり良い印象を持たれないイメージですが、自分がそうだということで悩んでいる人も沢山いるのではないでしょうか。

仕事で嫌なことがあるとすぐに辞めてしまう…
ウマの合わない人が職場にいるとすぐに辞めてしまう…
同じことの繰り返しに耐えられなくなってすぐに辞めてしまう…

大した理由もないのにすぐに仕事を辞めてしまう、いわゆる「辞め癖」がついてしまっている人は、どうやったらこの辞め癖を治すことができるのでしょうか。

仕事をすぐに辞めて職を転々とする人をジョブホッパーと言う

職を転々とする人、仕事をすぐ辞めてしまう人のことを「ジョブホッパー」と言います。
ジョブは仕事、ホッパーはジャンプする人のことなので、言葉通り「仕事を転々とする人」という意味になりますね。

ジョブホッパーの目安

ジョブホッパーには明確な定義はありませんが、半年~1年以内に仕事を辞めて、転職回数が5,6回以上となっている人のことを指すことが一般的です。

4,5年以内に5,6回転職している人のようなイメージですね。
こう見るとかなりの転職率です。

ジョブホッパーは就職に不利になる!?

ジョブホッパーは就職に不利になります。
就職活動で提出する履歴書には職歴も書かなければならないのですが、4,5年以内に5,6回も転職しているとなると、採用側は当然「うちでも続かなくてすぐに辞めるのでは…」と勘ぐってしまいます。

転職回数が1,2回ならば、就労期間が短くても事情を説明すれば納得してもらえることが多いですが、5,6回となると、職場に問題があるのではなく本人に問題があると思われてしまうのは避けられないでしょう。
例え職場がブラックだった、パワハラにあった、いじめられた、など「自分のせいではない」ということをアピールしたとしても「そういう風に捉えているだけでは…?」と疑われてしまう可能性があります。もしくは「自分がそういうことを引き起こしているのでは…?」と思われてしまうかもしれません。

そのため、短期間の転職は1,2回に抑えて、ジョブホッパーにならないように心がけるのが大切です。

仕事の辞め癖がついている人の特徴と対処法

ジョブホッパーとなってしまう、仕事の辞め癖がついている人の特徴と対処法をまとめました。自分が当てはまると思う特徴があれば、その対処法を実践して辞め癖を治すように心がけてみてください。

就職時の就労条件確認が甘い

「こんなはずじゃなかった」という理由ですぐに仕事を辞めてしまう人の特徴として「就職時の就労条件確認が甘い」ことが挙げられます。

  • 「こんなに残業が多いなんて…」
  • 「みなし残業なんて聞いてない…」
  • 「休日出社が多すぎる…」
  • 「住宅手当が無いなんて聞いてない…」
  • 「給料が低すぎる…」
  • 「営業電話なんかかけたくないのになんで自分がやらなきゃいけないんだ…」

これらのように、職場の雰囲気ではなく、給料や残業、休日、業務内容などの物理的な就労条件の確認が甘かったがゆえに「思ってたのと違った」と感じてすぐに辞めてしまうのです。

対処法

対処法としては、とにかく就労条件を事前に確認することです。

確認するタイミングとしては、そもそもエントリーする前、どこにエントリーするか決める段階でしっかりと細かくチェックするようにしましょう。
就職エージェント、転職エージェントを利用しているのであれば、担当さんに細かく確認しましょう。

エントリーの段階ではハッキリしなかった部分については、会社説明会や、実際の面接の席できちんと確認しましょう。
「これで落とされたらどうしよう…」と思ってはいけません。

面接は、企業があなたを選ぶ場でもありますが、あなたが企業を選ぶ場でもあるのです。
希望する条件を満たしていない場合、この条件だったら働きたくないなぁと思った場合は、堂々と断ってしまって良いのです。
ここで「でも折角採用してもらったし…他で受かるとも限らないし…」と思って妥協して入社してから「なんか違う」と言っても、もう後の祭りです。

就職する前ならば履歴書に傷はつきませんが、就職して数週間や数ヶ月で退職してしまったら、それはジョブホッパー街道まっしぐらとなってしまうのです。

確認事項については、しっかりと紙に項目を書き出して、漏れの無いようにしましょう。

確認事項の例

  • 給料(昇給目安や昇給のタイミング・ボーナス支給についても)
  • 手当(交通費・住宅手当・残業代・その他各手当について)
  • 休日出社や残業の有無について
  • 具体的な業務内容

就職後のビジョンを考えていない

「とりあえず職に就ければ良いや」という気持ちで就職したものの、仕事にやりがいを感じられず「なんのためにこの仕事をしているんだろう…」と虚しくなって辞めてしまうパターンの人は就職後のビジョンを考えていません。

こうなりたい、こんなことがしたい、こんな人生を歩みたい、といったビジョンが無いために将来の自分の姿が描けずに「なんとなく」で仕事を辞めて職を転々としてしまうのです。

対処法

将来のビジョンが持てない人の対処法は、当たり前ですがビジョンを持つことです。
「ビジョン」と言われても…と困ってしまう方が多いと思いますが、具体的に「こんな人生を歩みたい」と考えることが大切です。

・結婚して、子宝に恵まれたら休日は家族で出かけたりしたい
→結婚するにも子育てするにも費用が必要だから、仕事の内容がつまらなくても「将来の家族との生活のため」というビジョンがモチベーションになって仕事を続けられます。

・誰かの下で働きたくないからいつか独立したい
→フリーでも仕事になるような職種でしっかりと技術を身に着けて独立に向けて頑張るというビジョンを持ち、独立の準備が整うまで仕事を続けることができるようになります。

この他にも「高級フレンチコースを食べる」や「ブランドもののバッグを買う」や「海外旅行を楽しむ」など、物欲系のビジョンもアリですし、「世界の恵まれない子どもたちのために少しでも力になりたい」や「自分が生きた証を残したい」などの精神的なビジョンもアリです。

とにかく、仕事のモチベーションになるようなビジョンを掲げて、そのビジョンを実現できそうな仕事に就けば、長く続けられるはずです。

金銭面で依存できる人がいる・あるいはお金に無頓着

職を転々とする、あるいは仕事をすぐに辞めてしまう人は「甘えている」というイメージがありますが、これはあながち間違いではありません。
養うべき家族がいる人、自分が働かなければ困るような環境に置かれている人は、気に入らないからという理由でそう簡単には仕事を辞められません。

すぐに仕事を辞めてしまう人の特徴として、金銭面で依存できる人がいたり、独り身でお金に無頓着だったりといった特徴が挙げられます。

夫婦共働きで、夫、もしくは妻の方がしっかり稼いでくれている(だからといって1人だけの収入では不十分なため本人も働かなくてはならない)、実家暮らしで両親が生活費を出してくれている、一人暮らしで貯金は全く無いものの「その日暮らし」で良いと思っている、などのケースです。

対処法

このケースの対処法としては、上で紹介したビジョンを持つこと、働くモチベーションを見つけることが挙げられます。
何のために働くのか、働く理由を探し、それを見つけることによってすぐに仕事を辞めてしまう確率を下げることができます。

また、実家暮らしで両親に甘えてしまっているケースにおいては、実家から出て一人暮らししてみるのも有効です。この時、仕送りは受けないようにしましょう。お金の管理能力も身に着けることができます。

やりたいことや好きなことを仕事にすることに拘る

「好き」を仕事にしたい、夢を叶えたい、ということに拘って「これは自分が本当にやりたかった仕事じゃないんだ」とか「自分にはこの仕事は向いていない」と言って仕事を辞めてしまうタイプの人がいます。

このタイプの、いわゆる「夢追い人」には2タイプいて、やりたいことや好きなことが変わらずに、それを追い求めるタイプと、そもそもやりたいことや好きなことがコロコロ変わるタイプです。

前者であれば、まだ迷走した挙句ようやく本当に納得いく仕事が見つかる、という可能性があるのですが、後者の場合は典型的なジョブホッパー気質です。

対処法

夢追い人の対処法は「やりたいことや好きなこと」は仕事にはせずに、趣味にしておく、ということです。

仕事は仕事と割り切って、やりたいこと、好きなこと、興味のあることは全て趣味にしてしまった方が幸せということです。

むしろ、得意なことを仕事にした方が上手くいく可能性が高いです。
得意なことがやりたいことや好きなことではなかったとしても、それは「仕事」と割り切るようにしまよう。得意を仕事にできれば、稼げます。お金がたくさんあれば、趣味を充実させることができるようになります。
趣味が充実すると、自然と仕事のモチベーションも上がります。

コミュニケーション力に自信が無い

「コミュ障」という言葉がありますが、人間関係をこじらせてしまって職を転々とする人に目立つのがコミュニケーション力に対する自信の無さです。

ちょっと注意されただけで「嫌われた」と思い込んでしまったり、自分のことを言っているわけではなくても誰かがヒソヒソ話をしていると「自分のことを陰で笑っている」と思ってしまったり、とにかくネガティブに解釈しがちです。

そしてコミュニケーションに自信がない人は、自ら職場の輪の中に入っていくことができないため、誰とも仲良くなれずに、自ら居づらくなって、結局辞めていってしまうのです。

対処法

コミュニケーション力は、一朝一夕で身に着くような能力ではありません。
もともと明るく人との関係作りが上手な人もいれば、そうではない人もいます。

最も簡単な対処法は「無理に輪に入ろうとせず、マイペースで人の言動は気にしない」というものです。無理やり仲良くなる必要などありません。
仕事上の関係、と割り切って個人的に関わりを持つことを諦めてしまうと、心が軽くなります。

もちろん、誰かに話しかけてもらって、それをきっかけに仲良くなれたならば、その素敵な関係はそのまま大切にすれば良いですし、そうでなければ自ら素敵な関係作りをしなければと気負う必要は全くありません。

人は人、自分は自分、と割り切るのが最も効果的です。

飽きっぽい

「この仕事に飽きた」
「ルーチンワークがしんどい」
このような理由で職を転々とする人は、飽きっぽいという特徴があります。

同じ仕事を繰り返すような職業は向かないのですが、それに気づかずに就職しては飽きて仕事を辞めるということを繰り返してしまいます。

対処法

飽きっぽい人の対処法は「ルーチンワークを避ける」の一択です。
色々な仕事ができる仕事に就くのです。

転勤が多い、部署異動が多い、毎日異なる仕事をする、様々なお客さんと関わる、このように変化に富んだ仕事に就けば飽きることはありません。

逆に、このような「変化」をストレスに感じる人が非常に多い中、飽きっぽさはある意味では長所、強みにもなり得るのです。
転職する際には、飽きっぽさを長所と捉えて自己PRをするようにしましょう。

退職代行を使うと辞め癖がつく?

近年、退職代行を使って退職する人が増えています。
この退職代行ですが、自分で退職したいと伝えないため心的負担が軽く「辞め癖がつくのではないか」と囁かれることがあるそうです。

結論から言うと、退職代行を使うことによって辞め癖がつくかどうかは、その人によります。

人によっては辞め癖がついてしまう(というか、もともと辞め癖があったのが治らない…)こともありますが、ほとんどの人は退職代行を使ったからといって辞め癖がつくことはありません。

その理由は、退職代行を使っても退職の手続きや退職後の手続き、転職などは手間がかかること、そして退職代行依頼費用にあります。

まず、退職代行は「退職したいと伝える」ことを代行してくれるだけのサービスなので、退職届の作成や提出(郵送)や、退職後の役所手続きなどは本人がおこなわなければなりません。また、退職したからには次の就職先を探さなければなりません。退職代行サービスの中には就職サポートをおこなっているところもありますが、履歴書を作成したり面接に行ったりするのは本人なので、これもなかなか大変です。

そして退職代行費用は、一般の業者の相場が3万円前後で、決して安くはありません。
このお金をポンポン出して、面倒な退職手続きや就職活動を繰り返すというのは、ハードルが高いため、退職代行を使っても辞め癖がつくことはほとんど無いと言えます。

本当に辞めたいと確信したら退職代行の利用もアリ

辞め癖の治し方や、退職代行と辞め癖の関係性について解説しましたが、退職そのものが悪いということはありません。

働くのが辛いと感じながら無理して働き続けることは心身にダメージを与えますし、どんどん不幸になっていきます。
生き生き働ける職場を求めて退職して再就職することは、とても良いことです。

いわゆるブラック企業にお勤めで、辞めたいなんて言ったら何をされるか分からない、という恐怖におびえている方、職場に迷惑がかかるのではないかと思うと辞めたいと言い出せない方、辞めたいと伝えたものの引き止められてしまった方、このような事情のある方は退職代行の利用も検討してみてくださいね。

まとめ

  • 職を転々とするジョブホッパーは就職に不利
  • 短期間での転職は1~2回に抑えてジョブホッパーにならないようにすることが大切
  • 働くのが辛いと感じながら無理をしている場合は退職代行の利用も検討