退職代行を依頼する前の事前準備(必要書類など)一覧
退職代行サービスとは、退職希望者本人に代わって「退職する旨を勤務先に伝える」サービスです。
「退職代行サービス」や「退職代行」で検索すると、様々な業者のサイトが見つかります。
そのほとんどが「お電話1本で即日退職!」など、手軽に簡単にすぐに退職できることを宣伝文句として掲げています。
本当に「お電話1本」で退職できるの…?
退職ってそんなに簡単なものなの…?
そうは言っても何か書類が必要だったり、準備しておかなければならないものがあるんじゃないの…?
逆にこんな風に思ってしまう方もいらっしゃることでしょう。
今回はそんな不安な疑問にお答えします。
目次
退職代行を依頼する前に必ず準備しておくものは「お金と身分証明書」だけ!
退職代行を依頼する際に必要なものは、お金と身分証明書(免許証や保険証など)、これだけです。
いくら必要かは、依頼するサービスにより異なりますので、値段はしっかりチェックしておきましょう。民間の退職代行サービスの費用相場は3万円前後です。弁護士による退職代行サービスは、内容にもよりますが5,6万~10万程度です。
料金は、ほとんどのサービスが前払いなので、事前に用意しておきましょう。
(まれに事後精算が可能なサービスもあります)
また、退職代行サービスは「なりすまし」や「悪用」を防ぐため、依頼時に身分証明書を提示することを求めることがあります。
免許証やパスポートなどの写真データを送るように指示されたらすぐに送れるよう、手元に準備しておくと良いでしょう。なお、退職代行サービスに提示した身分証明書が悪用されることはありません。あくまでも「本人確認」のために必要なものなので、警戒する必要はありません。ただし、中には悪徳業者や詐欺業者が紛れているかもしれませんので、実績や会社情報をしっかりとチェックしておくのが望ましいです。
退職に必要なものは「退職届」と「会社への返却物」
退職代行を依頼する前に用意しておかなければならないものは、お金と身分証明書だけですが、それで退職ができるわけではありません。
退職するためには「退職届」を提出しなければなりません。
この退職届ですが、例えば役所や会社から用紙をもらって書くようなものではなく、ほとんどの会社では自分で用紙を用意して自筆します。
退職届の書き方などはインターネットで検索するといくらでも見つかりますので、ご自身のケース(職業や退職理由などの要件)に近い例を見て作成しましょう。
退職代行サービスに依頼した場合、退職届は会社に郵送することにより提出します。
また、会社への返却物も送り返さなければなりません。
具体的には「健康保険証」や「社員証」などです。また、制服があるような場合は、制服も返却物となります。他にも会社の備品を自宅に持ち帰っていれば全て郵送返却の対象となります。
もちろん、こういった返却物は、退職する前に会社に置いていくことができれば、わざわざ郵送する手間が省けますが、「即日退職」を希望して、前日までは普通に会社に行っていたという場合は郵送返却となります。
ケース別!退職代行を依頼する前にやっておくと良いこと
ここからは「事前準備」として、退職代行に依頼する前、つまり、まだ勤め先で仕事をしている時点でやっておくと良いことを、ケース別にご紹介します。
会社(勤務先)にいるからこそできることですので、会社(勤務先)へ行かなくなる前にやっておきましょう。
ケース1:収入が途切れると困る・早く次の就職先を決めたい
まず、退職してもすぐに働かないといけない、あるいは働きたい、という方は、次の就職先を探しておきましょう。
退職すれば失業手当をもらえますし、会社によっては退職金を出してくれるところもありますが、一時的な収入ですので、早く次の働き口を見つけた方が安心です。
次の就職先が見つからないという理由で、いたくもない会社に縛られる必要はないので、辞めたいのに無理して働き続けることはありませんが、せめてリクルートサイトに登録する、エントリーだけでもしてみる、など「行動」は始めておいた方が良いでしょう。
退職代行サービスで就職サポートをおこなっているところもあるので、そういったサービスを活用するのもひとつの手です。
ケース2:自分しか掌握していない仕事を抱えている
もし、退職したいと思っている職場で自分にしかできない、あるいは自分しか掌握していない仕事を任されているのであれば、必ず引き継ぎメモを残して退職しましょう。
退職代行サービスを利用するということは、ご自身で退職したいと勤務先に申し出て退職日まで一定期間の余裕がある中で仕事をするという状態にはなり得ず、退職を申し出たタイミングで勤務先に姿を現さなくなることが多いかと思われます。
つまり、引き継ぎができていない状況で退職、となってしまうわけです。
すると、その人しかできない仕事をどうするのか…という問題が浮上します。
自分たちだけでどうにかできれば良いのですが、そうではなかった時に、勤務先からしつこく連絡が来たり、場合によっては「訴える!」と脅されたりすることもあるかもしれません。
勤務先に迷惑をかけてしまうのは事実なので、自分にしか分からない仕事については、引き継ぎメモを残すか、退職後に郵送するか、そのどちらかの方法でノウハウを残しましょう。
ケース3:職場でパワハラ・セクハラ・いじめを受けた
職場でパワハラやセクハラを受けた、いじめに苦しんでいた、そしてそれが退職の原因となってしまった、という場合は、その証拠を集めておきましょう。
証拠の集め方としての主な方法は
- 録音<
- 録画
- 写真
- 日記
の4つです。
録音や録画はスマートフォンも使えますが、おすすめは小型のICレコーダーや隠しカメラです。
今は色々な種類のレコーダーやビデオカメラが出ており、ボールペンタイプやマイクロチップタイプなど、一見レコーダーとは分からないものもあります。
バレないように隠し持っておいて、ずっと回しておけば証拠が取れます。
ちなみに、ハラスメント行為、いじめ、不倫や浮気、隠蔽、不正などを暴くための証拠集めのための盗撮は罪には問われませんので、安心してください。
また、意外と有効な証拠となるのが日記です。
この日、こんなことをされて、こんな気持ちだった、ということをこまめに書き留めておくと、それが証拠のひとつとなります。
最後に、こういったハラスメントやいじめが原因で体調に支障をきたしたら、病院へ行きましょう。心療内科で事情を説明すれば医師が診断書を作成してくれます。
この診断書も非常に有効な証拠となります。
これらの証拠が揃っていれば、退職後に慰謝料を請求したり、上司や同僚を訴えたりできますので、もし戦う気があれば証拠集めはしておきましょう。
ただし、退職代行サービスは慰謝料請求や訴訟には対応していないため、別途弁護士に依頼する必要があります。
ケース4:共通事項(どの方もやっておくと良いです)
最後に、どんな方にも共通で当てはまる「会社に行かなくなる前にやっておいた方が良いこと」をまとめます。
- 有給休暇の確認<
- 退職金の有無や金額などの確認
- 私物の持ち出し(少しずつ持って帰りましょう)
- 会社備品の返却(社員証や保険証は最後の出社日に…後から郵送も可)
有給休暇や退職金については、社則などで定められていることが多く、社則は会社に保管されており持ち出し厳禁ということがほとんどなので、会社にいる時にチェックしておきましょう。
もちろん会社に行かなくなってから、退職代行サービスのスタッフが問い合わせることもできますが、自分の目で確かめておいた方が安心です。
退職代行依頼前に準備すること一覧
それでは最後に、退職代行を依頼する前の事前準備として必要なものを一覧にまとめます。
退職代行依頼に必要なもの
- 依頼金(3万円前後~)
- 身分証明書
退職に必要なもの
- 退職届
- 会社への返却物(社員証・保険証・制服・他会社からの貸与物)
会社にいるうちにやっておいた方が良いこと
- 有給休暇、退職金などの確認
- 私物の持ち出しおよび、会社の備品の返却(できる範囲で)
- 次の就職先探し(必要な場合)
- 引き継ぎメモの作成(必要な場合)
- ハラスメントやいじめの証拠集め(必要な場合)
退職代行サービスに依頼する時点では、お金と身分証明書があれば依頼できますので、そんなに構える必要はありません。
また、問い合わせるだけなら何も要りませんので、退職したくて退職代行を検討している方は、まずは気軽に問い合わせてみると良いでしょう。
まとめ
- 職代行サービスに依頼する時点ではお金と身分証明書があれば依頼できる
- 民間の退職代行サービスの費用相場は3万円前後
- 退職に必要なものは「退職届」と「会社への返却物」
- パワハラなどで訴訟を検討している場合は証拠集めはしておく
- 退職したくて退職代行を検討している方はまずは気軽に問い合わせ