退職代行サービスを利用して賞与(ボーナス)は貰えるの?

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退職代行サービスを利用して退職したからといってボーナスが出ないということはあるのでしょうか。
会社には給与を支払う義務はありますが、ボーナスを支払う義務はありません。

それでは退職代行サービスを使ったからといってボーナスを出してくれない、といったことは起こり得るのでしょうか。
ボーナスと退職について、解説していきます。

退職代行サービスを使ったかどうかは関係無い

まず、退職代行サービスを利用したからボーナスが出ない、ということはありません。
いかなる方法であっても、その方法や手段によってボーナスが出なくなるということは心配しなくて大丈夫です。

もし「自ら退職を申し出ず、退職代行サービスを利用したからボーナスは支払わない」と言われてしまったら、それはおかしな話です。
場合によっては弁護士に依頼して裁判に持ち込むこともできます。

退職のタイミングとボーナス規定によりボーナスが支払われるかどうかが決まる

退職代行サービスを利用したかどうかは、ボーナスの有無に影響はありませんが、退職のタイミングによってはボーナスがもらえないことがあります。

これは会社規定に則り決まります。
会社規定は、会社によって異なりますので、自分の会社の規定を退職前に必ず確認するようにしてください。

ボーナスが支給される条件を確認

まず、ボーナスが支給される条件を確認しましょう。
「ボーナス支給時に会社に在籍していること」という規定だった場合、例え1日でもその日の前に退職してしまった場合にはボーナスは出ません。
そして、これは規定に則ったものですので、訴えることも当然できません。

「ボーナス支給日の1ヵ月前に在籍していること」という規定だった場合は、ボーナス支給日に退職してしまっていたとしてもボーナスがもらえます。
例えば、ボーナス支給日が6月末だった場合、5月末日に在籍していれば、それまでのボーナスは6月末に支払われます。もし、この規定なのにボーナスがもらえなかった場合は訴えることも可能です。

他にも、勤続〇年以上、欠勤〇日未満、など細かく条件が定められていることがありますので、自分が条件に当てはまるかどうかしっかりチェックしましょう。

ボーナスを確実にもらえる条件を満たしてから退職する

ボーナスに関する規定を確認したら、ボーナスを確実にもらえる条件を満たしてから退職するのが得策です。
6月末日にボーナスが支払われ、その日に在籍していなければ支払われないという規定になっていたら、どうにか頑張って6月末日までは在籍し、ボーナスをもらってから7月以降に退職しましょう。

気をつけなければならないのは、規定に「ボーナスが支給されてから〇日以内(あるいは〇ヵ月以内)に退職した場合は、その一部(もしくは〇%)を返金しなければならない」と明記してあった場合、それを見落としてしまうと後から返金するよう要請されます。
このような記載が無かったにも関わらず、返金要請をされてしまった場合は、労基や組合に相談したり、退職代行サービスや弁護士に相談したりしてみてください。

ボーナスが出る前に退職の意向を伝えてしまうと減額される可能性も

ボーナス支給前に退職したいということを伝えてしますと、ボーナスの減額対象となってしまう可能性があります。
ボーナスについては、その金額や支払いの有無など、全て会社に一任されています。支払い義務も無ければ、〇円以上支払うという決まりもないのです。

そのため、会社の匙加減で金額を決められてしまいます。
もう会社にいない(=今後会社に貢献してくれない)人にはボーナスを払う意味がない、と判断されてしまったらボーナスを減らされたり、もらえない、ということも出てきます。
このあたりについて、規定にしっかりとその基準や条件が明記されていれば良いのですが、曖昧な表記だったり、記載が無かったりする場合は要注意です。

ボーナスを減らされないためにも、ボーナスが出てから退職の意向を伝えるのがベストです。

有給休暇中は在籍扱い

「ボーナス支給日に在籍していること」と規定にある場合、有給消化で出社はしていないものの在籍していれば、ボーナス支給対象となります。
退職代行サービスを利用し、有給を使って会社へ行かなくなっても、在籍していればボーナスをもらえます。

このケースでボーナスがもらえなかった場合は、申し立てることができます。

ボーナスと「今すぐ辞めたい」という気持ちを天秤にかける

ボーナスはもらえるに越したことはありません。
しかし、退職代行サービスを利用する方の多くが「今すぐ辞めたい!」「もうこんな会社にはいられない!」という切羽詰まった状況で即日退職を希望しています。

あと1ヵ月耐えればボーナスがもらえるのに…という状況であったとしても「もう辞めたい」という気持ちの方が強ければ、ボーナスよりもその気持ちを大切にしてください。

「あと少しの我慢」が、取り返しのつかない心身の故障を引き起こすこともあります。
お金は大事ですし、生きていくのに必要なものでもありますが、命より重いものはないということを忘れないでください。

また、ボーナスの予想金額と「辞めたい」という気持ちを天秤にかけることも大切です。
通例から想定されるボーナスがそれなりに高額であれば、もう少し耐えて、ボーナスをもらったらさっさと辞めようと決めるのもアリですし、大してもらえないということが予想できたら、ボーナスを待たずにさっさと辞めてしまうというのもアリです。

ボーナスと「辞めたい」という気持ちを天秤にかけて、どちらを優先するか、よく考えてみてください。
忘れてはならないのは、あなた自身の心身の健康です。

ポイント

  • 退職代行サービスを利用したからボーナスが出ないということはない
  • ボーナスが支給される条件は会社の規定による
  • ボーナスを確実にもらえる条件を満たしているにも関わらずに返金要請をされてしまった場合は、労基や組合に相談したり、退職代行サービスや弁護士に相談
  • 辞めたい気持ちとボーナスを天秤にかけて考えることは必要だが、最も大切なのは心身の健康