仕事を辞めたいと言えない理由、円満退職する方法
仕事を辞めたいな…
誰もが一度や二度、そう思ったことがあるでしょう。
疲れが溜まっていて、ふと「仕事を辞めたい…」と思っても、また心身が元気になり、仕事が上手くいったり成功したりして「やっぱりこの仕事をやっていて良かった、これからも頑張ろう」と思えれば良いのですが、この「仕事を辞めたい」という思いが慢性化することもあります。
その思いが強くなり、本格的に「仕事を辞めたい」と思うようになっても、なかなかそれを上司に伝えることができない人が多いのが現実です。
なぜ「仕事を辞めたい」と言えないのか、そもそもなぜ仕事を辞めたいと思うのか、仕事を辞めたいと思ったらどうしたら良いのか、実際に仕事を辞める際に円満退職するためにはどうしたら良いか、今回はこれらの各点についてまとめていきます。
なぜ辞めたいと言えないか?
まず、なぜ仕事を辞めたいと言い出せないのか、という点から見ていきましょう。
「仕事を辞めたい」と言い出せない理由には様々なものがあります。
ひとつひとつ細かく解説していきます。
仕事を辞めたいと言い出せないポイント
- 職場に迷惑がかかる
- 人手不足で自分が抜けたら業務が回らなくなる
- お世話になったのに裏切るようで申し訳ない
- 職場の人たちと気まずくなってしまう
- 上司が怖くて言い出せない
- 引き止めに合う気がする
- 家族から反対されている・期待されている
- 今までの生活を変えたくない
- 給料が良いため辞めるのがもったいない
- 転職先が決まっていないため不安
- 引き継ぎが面倒
- 単純に言い出すことそのものが面倒
職場に迷惑がかかる
まず、職場に迷惑がかかると思い込み、退職したいと言い出せないというケースです。
自分が担当していた業務を、新しい従業員が見つかるまでの間は他の従業員が手分けして担当しなければならない…、クライアントとの関係を、他の従業員がゼロから再構築しなければならない…、など、自分が職場から抜けることにより上司や仲間たちに迷惑をかけてしまう、と思ってしまうのです。
人手不足で自分が抜けたら業務が回らなくなる
ひとつめの理由に類似していますが、明確に「人手不足だから辞められない」という理由を挙げることもできます。
なんとなく「迷惑なんじゃないか…」という感覚的なものではなく、現実に人手不足という事実がそこにあり、自分が抜けると労働力がひとつ無くなるという状況です。
この場合は、上司や同僚が「今退職者が出ると困る」「誰かに辞められたらウチは終わる」「新しい人を雇わないとやっていけない。まして退職者が出るなんてあってはならない」など、しょっちゅう零していることが多く、その言葉を聞いているからこそ「人手不足なのに自分が抜けたら困るのでは…」と思ってしまいます。
お世話になったのに裏切るようで申し訳ない
この理由は、雇い主に恩義がある場合と、勤続期間が短い場合の2パターンに分かれます。
ひとつめの「雇い主に恩義がある場合」は、知人が頼み込んで雇ってもらった、個人的な繋がりのある人に雇ってもらったなど、雇用時に何らかの便宜を図ってもらったようなケースになります。
ふたつめの「勤続期間が短い場合」は、研修で色々教えてもらったのに、すぐに辞めてしまって「教え損」なのでは、と思ってしまったり、仕事を覚えたばかりで何も会社に貢献していないのに辞めてしまうなんて失礼かな、と思ってしまうケースになります。
職場の人たちと気まずくなってしまう
仕事を辞めたいと上司に伝えたことが会社内で広まってしまったら、同僚と気まずくなってしまうということを恐れて「退職したい」と切り出せないこともあります。
実際に、酷いケースだと嫌がらせをされたり、仲間外れにされたりするようなことも起こっているようで、そういったことを恐れて「辞めたい」と言えない人も少なくないのが実情です。
上司が怖くて言い出せない
パワハラ上司か、そうでないかはあまり関係なく、上司を怖がっている人は「仕事を辞めたい」と切り出しにくい傾向にあります。
理不尽に嫌味を言ったり怒鳴り散らしたりするような上司でなくても、厳しい上司には退職したいと言い出しにくく、それこそパワハラをするような上司であれば、なおのこと退職を切り出しづらいことでしょう。
「辞めるなんて認めない」「辞めるなんて会社のことを裏切るつもりか」など、とんでもないことを言い出す上司や、目の前で退職願を破り捨てたり、陰湿な嫌がらせをしたりするような酷いケースもありますが、こういった明らかなパワハラ行為は訴えることができます。
引き止めに合う気がする
上司に「辞めたい」と言ったところで「考え直してくれ」「まだ辞めないでくれ」などの引き止めに合うような気がするという理由で辞めたいと言い出せない人もいます。
引き止めに合った上で「あいつは辞めたいと思っているらしい」という噂が広がれば会社内で気まずくなりますし、嫌がらせを受ける可能性もあるため、そうなるぐらいならば言い出さないという選択をしてしまうこともあるようです。
家族から反対されている・期待されている
意外と多いのが、会社や本人の問題ではなく、家族が絡んでくるケースです。
家族から退職することを反対されてしまったり、反対とまではいかなくても「今会社を辞めたら家族が路頭に迷う…」なと、家族のことを考えて辞めたいと言い出せない人も多数いらっしゃいます。
また、反対や困る、といったネガティブな要素だけでなく、家族から期待されているというプレッシャーが「辞めたい」という気持ちを押さえつけてしまうケースもあります。
「あそこの息子さんは一流企業にお勤めで…」「本当に優秀な旦那様で羨ましいわ」など、家族だけでなく近所の人や親戚、知り合いの期待や評価を気にするあまり、辞めたいと言い出せなくなってしまうこともあります。
今までの生活を変えたくない
慣れ切ったいつもの日常を変えることに抵抗がある方も今の仕事を辞めたいと言い出せないことがあります。
人はあるものに慣れると、そこから離れられなくなってしまうと言われています。飽きっぽく常に刺激を求めて新しい環境にもすぐに馴染めるタイプの人もいますが、多くの人は慣れ親しんだものに安心感を覚え、その環境から離脱したくないと思うようにできています。
仕事が辛く「辞めたい」と思うことはあっても、今のままの生活を維持したいという想いから、仕事を辞めたいと言い出さず、不平不満を抱えながらも働き続けてしまうのです。
給料が良いため辞めるのがもったいない
仕事を辞めたいと思っても、待遇が良かったり給料が良かったりすると、簡単にその仕事を手放してしまうのがもったいないと感じることでしょう。
給料が良い仕事を辞めてしまい、次の職場で給料が大幅に下がると生活の質にも影響が出ますし、気持ちの面でヤル気をそがれます。
高給取りであるほど、仕事を辞めたいと言い出せないのです。
転職先が決まっていないため不安
次の職場が決まっていない状態で会社を辞めることに不安があるという人は多いです。
多くの人が仕事を辞める時には、もう次の就職先が決まっています。在職中に転職活動をして、就職先が決まった時点で会社に退職の意向を伝えるという流れが一般的です。
しかし、次の職場が決まっていなくても、もうこれいじょうここでは働けないと思い、退職したいと考える場合は、辞めたいと言いたいけれど将来に不安があって辞めたいと言い出せないというジレンマを抱えることになります。
引き継ぎが面倒
退職する時につきものなのが「引き継ぎ」です。
自分が担当していた業務を引き継いでくれる従業員に、業務内容やポイント、留意点などを伝えることですが、この「引き継ぎ」が面倒で退職の意向を伝えられないというケースもあります。
特に、マニュアルが無く、自分だけがその業務を掌握しているという場合は、引き継ぎがおっくうで退職できないという悩みを抱えている人が少なくありません。
単純に言い出すことそのものが面倒
稀ではありますが、ただただ面倒だから辞めたいと言わない、という人もいます。
元来面倒くさがりな性格が災いして退職できないのであれば、ある意味で致し方ない一面もあるのですが、これが職場でのストレスなどが引き金となって軽いうつ状態となっている場合は話が別です。
全てにおいて面倒だと感じ、気力も無くなり、辞めたいと言い出すことすらできない状態は危険です。こういった場合は心療内科を受診して診断書を出してもらい、それを理由に休職か退職をすることが良いでしょう。周囲の人が気付いてあげることも重要となります。
そもそもなぜ仕事を辞めたいのか?
続いて、仕事を辞めたいと思う理由についてまとめます。
人はなぜ仕事を辞めたいと思うのか、いつ、どんな時にそう思うのか、整理してみましょう。
ご自身の気持ちと合致するものがあれば、それは「退職したい」という気持ちの表れなのかもしれません。
仕事を辞めたいと思うポイント
- 人間関係
- 労働環境
- 賃金
- 将来性
- 仕事内容
- その他やむを得ない事情によるもの
人間関係
仕事を辞めたいと思う理由で最も多いのが「人間関係」です。
これは業種、職種と問わず、いつの時代も変わらず、常にトップの座に君臨しています。
多少辛い仕事でも、職場の雰囲気や人間関係が良好であれば、仕事を続けるモチベーションが下がらず、長くその仕事を続けられると言われています。
しかし、逆に人間関係が悪かったり、職場の雰囲気がギスギスしていたりすると、その職場に長く居ようとは思えずに次々と人が退職してしまいます。
個人的な人間関係もそうですし、派閥争いや、自分が標的となっていなくても社内でパワハラやいじめが横行しているなど、雰囲気や空気感も「人間関係」に含まれます。
この人と一緒に働きたくない、あるいは、この人たちと一緒に働きたくない、という想いが仕事を辞めたいと思う理由のナンバーワンです。
労働環境
人間関係の次に多い仕事を辞めたい理由は労働環境です。
具体的に「就業時間」や「就業日数」などが該当します。
残業が多かったり、休日出社が多かったり、残業代がつかない、飲み会が強制参加、など、「働き方」に関する苦痛が理由で仕事を辞める人もかなりの数にのぼります。
最近ではライフワークバランスや、残業時間のカットなど、国が主体となって労働環境の改善を呼びかけるようなシーンも増えてきましたが、それでもいわゆる「ブラック企業」は多く、体調を崩すほどの過酷な労働環境で働いている人も少なくありません。
賃金
給料が低い、これも立派な退職理由となります。
仕事に対して「対価が低すぎるというケースもあれば、そもそも貰える金額が少なすぎるというケースもあります。
また、賃上げが少ない(あるいは無い)、ボーナスが出ない、など、基本給だけでなく将来の見込みや不定期的にもらえるお金も加味して総合的に判断して「給料が低すぎる」として退職したいと考える人が多いです。
将来性
将来性については自分自身の将来性と、会社の将来性の2種類があります。
自分自身の将来性は、出世の見込みがあるのか、キャリアアップできるのか、といった個人的なもので、「この会社で働き続けても一生このままかもしれない…」と思うと、キャリアアップのために退職して転職しようと考える人が少なくありません。
会社の将来性については、経営状況であったり、業界の伸び率だったり、そういった複数の観点から「この会社で働き続けていて大丈夫だろうか」と考えた際に、将来性が期待できない、あるいは不安を感じたような場合に退職したいと考えることになります。
仕事内容
仕事内容に不満があって辞めたいと思う人もいます。
介護職などであれば「肉体労働がしんどい」、事務などであれば「やりがいを感じない」、など、その詳細は仕事や人によってそれぞれですが、仕事の内容が原因で「辞めたい」と思うこともあります。
「思っていた仕事と違った」という理由も見受けられますが、これについては「今だけその仕事内容」ということがありますので、早とちりしないように留意すべきでしょう。
例外:その他やむを得ない事情によるもの
ここまで「辞めたい」理由について紹介してきましたが、例外として「辞めたい」のではなく「辞めざるを得ない」退職理由もありますので、簡単にご紹介します。
引越し、結婚、出産、介護など、何らかの外的要因により仕事を辞めざるを得ない状況となり退職することもあります。
これらの理由は「退職理由」として活用することもできます。嘘はいけませんが、上手い言い方で本音と建て前を使い分けるのに役立ちます。
辞めるかどうか迷ったら
仕事を辞めたいな…と、ぼんやりと思ったり、なんとなく「辞めたい」と思っていてもそれが本気なのかどうか自分でもいまいち分からなかったり、本当に辞めても良いのだろうかと迷ったら、上記の「辞めたい理由」と「辞めたいと言えない理由」を参考に、ご自身の気持ちや状況を紙に書き出してみてください。
箇条書きで書き出せば見やすく、頭や気持ちも整理しやすくなります。
紙に書き出すことにより、客観的に自分の気持ちや状況を掌握できますし、そのメモを使って第三者の意見を聞く際にもスムーズに相談できます。
本当に辞めるべきなのかどうか、しっかりと考えて、退職するか、今のまま仕事を続けるか吟味しましょう。
辞め方のコツ
いざ仕事を辞めよう、と決意したものの、どうやって「辞めたい」と伝えたら良いか分からないという時には、ぜひこれから解説するコツを参考にしてください。
上司に一対一で話す場を設けてもらう
まず、上司に一対一で話せるような場を設けてもらいます。
直接気軽に話せる関係であれば、「お話があって…」と持ち掛ければ良いですし、そういった間柄でなければメールで「お話したいことがあるのですが、お時間頂戴できますでしょうか」とアポイントメントを取ります。
いきなり「あの、上司、ちょっとよろしいでしょうか」と声をかけて、その直後に「退職したいです」と伝えるのはハードルが高いですが、「話す場」を約束してもらうワンクッションを挟むことで心の準備もできますし、「言い出せない」という関門をひとつ突破できます。
退職理由は相手を納得させられるものを用意
退職したいと伝える時に必ず聞かれるのが理由です。
ここで、本音と建て前が出てくるわけですが、なるべく相手を納得させられるように準備しておきましょう。
「結婚」や「出産」、「引越し」などの理由があれば、比較的すんなり退職させてもらえますが、そうでない場合は難しいこともあります。時には引き止めに合ってしまうでしょう。
「結婚」であったとしても「続けるのは難しいのか」と聞かれることもあります。
どこまで正直に伝えるかですが、鬱などの症状が出ている際には、それを隠さずにしっかりと伝えた方が良いです。特に診断書を出してもらっている場合は提示しましょう。鬱だけでなく何らかの疾病が関係している場合は診断書の用意をおすすめします。
「仕事がおもしろくない」「賃金が低い」「人間関係で悩みがある」など、会社についてネガティブな内容となる理由は伏せておくのが賢明です。
ただし、パワハラやセクハラ、いじめがある場合は伝えた方が良いです。人事の耳に入ればそれなりの制裁が下される可能性もありますし、訴えることもできます。
「結婚・出産・引越し・介護」などの「やむを得ない事情」が無く、会社にとってネガティブなことが退職したい理由…という場合で最も納得させられる切り札は「次の就職先から内定をいただきまして…」というものです。
転職先が決まってしまっていれば、会社としてはそれを引き止めるわけにはいきませんので、すんなりと認めてくれます。
このどれにも当てはまらない場合は、嘘にならない範囲でうまいこと「納得させる」理由を考えるのが良いでしょう。
伝える時期と辞めるタイミングは繁忙期を避ける
心身に余裕があり、退職する時期を急いでいなければ、退職したいと伝える時期と、退職するタイミングは会社の繁忙期を避けるよう配慮しましょう。
忙しい時に退職すると言い出したり、退職の日を設定すると、会社としては「なんでこの忙しい時に…」となり、笑顔で送り出してくれないかもしれません。
もちろん、心身のいずれか、あるいはいずれもが限界で、今すぐにでも仕事を辞めなければ自分がダメになってしまうというところまで追い詰められている場合にはこの限りではありません。
会社規定に則って前もって退職を伝える
法律上は、退職を申し出た2週間後には退職できるという決まりになっていますが、会社によって規定で「いつまでに退職の意向を申し出る必要がある」という期日が定められています。
多いのが「2ヵ月前までに」というものですが、中には「1ヵ月前まで」や「3ヵ月前まで」という決まりもあります。
これを守らなくれも罰せられることはありませんが、一応ルールはルールなので、可能な限り守るようにしましょう。
退職したい人の強い味方「退職代行サービス」の活用方法
退職したいけれど、退職したいと言い出せない…という方におすすめなのが「退職代行サービス」です。
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退職を言い出せない
本記事でも様々な理由をご紹介しましたが、何らかの理由や事情があり、自分から退職の意向を言い出せずに悩んでいる人は多いです。
退職代行サービスは、このような人に代わって退職したいと伝えてくれます。
今すぐ辞めたい
円満退職のコツの部分で、会社の規定に則って余裕をもって退職の意向を伝えるのが良いと解説しましたが、中には心身が限界に達し、もう今すぐにでの会社を辞めたい!という方もいらっしゃることでしょう。
退職代行サービスは「即日退職」が可能です。法律上、退職の意向を伝えた2週間後には誰でも退職できることになっていますが、この2週間の間は有給か欠勤という形を取ることにより埋めることができます。
退職代行サービスに依頼し、退職の意向を伝えたその時から会社へ行かなくて良いのです。
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会社の人に会いたくない、直接「辞めたい」と伝えられない、顔も見たくない、という方にも退職代行サービスはおすすめです。
退職代行サービスを利用すれば、会社に一切連絡を取ることなく退職することができます。
退職届は郵送で提出できますし、会社とのやりとりは全て代行サービスが窓口となります。
引き止めに合ってしまった
退職したいと自分で伝えたものの、引き止めに合ってしまったという方にも、退職代行サービスはおすすめです。
「君が抜けたら大変だ」「迷惑をかける気か」といった言葉だけの脅しや泣き落としは、第三者である退職代行サービスには一切効きません。
スムーズに退職するためにもご活用をおすすめします。
退職は全ての人に与えられた正当な権利
最後に、退職は全ての人に平等に与えられた正当な権利です。
誰かに迷惑をかけるから、恩を仇で返すことになるから、人手不足だから、退職できないということは全くもってありません。
「辞めたい」という時に、辞めることができるのです。
辞めたいという想いを抱えながら無理をして仕事を続けている方の強い味方が退職代行サービスです。もし、お困りのことがあったり、悩みや不安を抱えていたり、辛いと感じていたら、是非一度相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 退職したいと言えない理由には人間関係のしがらみが多い
- 仕事を辞めたいという理由は待遇と人間関係の二つに大きく分けられる
- 退職について困ったことがあったら退職代行サービスに相談