退職代行を使って保育士を辞める人が多い理由
近年退職代行を利用して仕事を辞める人が増えています。
保育士も例外ではありません。年度単位でクラスを受け持つ保育士は、なかなか「辞めたい」と言い出すタイミングが掴めずに、退職したくても退職できないという悩みを抱えている人も多いですが、そのような方の強い味方が退職代行です。
今回は、退職代行について、そして保育士が仕事を辞めたい理由、退職代行で保育士を辞めるメリットについて解説していきます。
目次
退職代行とは
退職代行とは、退職したいという意向を会社や組織に伝えることを代行してくれるサービスです。
通常、仕事を辞める時には直属の上司などに退職したいという意志を伝え、その後引き継ぎなどをおこない、人事などに退職届を提出して、退職という流れになります。
保育士の場合は、園長に退職したい意向を伝え、園長に退職届を提出する流れが一般的です。
退職代行を利用すれば、保育園に出勤しなくても、退職代行スタッフが園に電話をかけて退職したい旨を伝えてくれます。
そして、退職届の提出方法などの手順を依頼者に伝えて、依頼者はその手順に則って退職届を園に郵送すれば退職が完了となります。
退職代行利用の流れ
退職代行利用の流れは、まず問い合わせや相談からになります。
退職代行サービスに電話、メール、LINEなどで問い合わせて、退職したいと思っていることや、退職に関する不安や心配事、疑問点などを相談します。
不安や疑問が解消し、退職代行を依頼することが決まったら、退職代行費用を支払います。
カード支払いや、振込など、その方法は業者によって異なりますが、カード支払いは受付けておらず振込のみという業者も、振り込んだ控えを写真に撮って送れば即日対応してくれます。
退職代行費用を支払えば、後は業者のスタッフが退職に向けて動いてくれます。
スタッフの指示に従って退職届を郵送するなど、退職の手続きをおこない、退職が完了します。
退職代行の費用
退職代行費用の相場は3万円前後です。
高いところだと10万円近くかかってしまうところもありますが、そういった業者は弁護士がおこなっている退職代行サービスであることがほとんどです。
一般的な民間の退職代行サービスは、あくまでも「退職したい」という意志を伝える使者としての役割しか担う事ができません。
しかし、弁護士であれば、勤め先と直接交渉することができるため、慰謝料請求や未払い賃金の請求、退職日の交渉なども代行してくれるのです。しかし、その分依頼料が高くなります。
保育士が仕事を辞めたいと思う理由トップ3
それでは、ここで保育士が仕事を辞めたいと思う理由を見ていきましょう。
保育士に関わらず、仕事を辞めたい理由のトップ3は「人間関係、労働環境、仕事内容」ですが、保育士ならではの具体的な理由まで深掘りしていきます。
人間関係(同僚・保護者)
いつの時代も、どんな職業でも、仕事を辞めたい理由のトップは「人間関係」です。
一般企業の場合は、嫌な上司がいる、同僚から仲間外れにされる、などですが、保育士の人間関係のキーワードは「閉鎖空間」と「保護者」です。
保育園や幼稚園、学校などはとても閉鎖的な空間です。
園内というクローズドな空間で、人間関係を構築していく必要があるため、何かトラブルが起きた時に逃げ場が無いのが特徴です。
また、最近は男性の保育士も増えてきたものの、やはり圧倒的に女性が多い保育士の職場では、女性ならではの人間関係に悩む人も多いです。
女性は男性よりも仲間意識が強く、グループの中で少しでも異質なものを見つけると、全員でそれを排除しようとします。グループである程度力を持っている人にちょっと意見を言っただけで目の敵にされ、他の同僚たちまで巻き込んだ嫌がらせを受けるという保育士もいます。
女性社会、そして閉鎖空間という環境で同僚との人間関係に悩み退職したいと考える人は少なくないのです。
また、もうひとつのキーワード「保護者」も厄介な問題です。
理解ある保護者、協力的な保護者がほとんどですが、中にはいわゆる”モンスターペアレント”と言われる厄介な保護者が一定数潜んでいます。
例えばお遊戯会で「なぜ自分の子どもが主役ではないのか」と詰め寄ったり、運動会で「全員手を繋いで同時にゴールさせろ」と要望したり、更に子どもが風邪を引いた原因を「園で(換気のために)窓を開けたせいだ」と言ってくる親もいます。
このようなモンスターペアレントの攻撃に心を痛めてしまう保育士は少なくありません。そして、精神を病んで退職に追い込まれてしまうというケースもあるのです。
保護者との確執は、保育士など子どもの教育に携わる職業ならではの退職理由です。
労働環境(給料・労働時間など)
保育士が仕事を辞めたいと思う理由の2つめは労働環境です。
一般的な企業では、労働環境の劣悪な企業をブラック企業と言いますが、実は教育業界全体が「ブラック業界」と呼ばれることもあるくらい、教育現場の労働環境はかなり厳しいものだと言われています。
保育士の仕事内容は非常に多く、子どもの面倒を見るだけではなく、毎日の子ども様子を連絡帳に書き込んだり、季節にあわせて保育園の内装を変えたり、行事の準備で夜遅くまで居残ったり、同じく行事のために休日も出勤したりしなければなりません。
その割に保育士の給料は決して高いとは言えません。
平均して300万円前後と言われていますが、低いところだと250万円にも及ばないことがあります。
労働時間や業務内容、仕事の責任に対してこの給料は低すぎるという声が度々上がりますが、この給料の低さや労働環境の悪さが、保育士を退職したいと思う理由になることは、誰の目にも明らかと言えるでしょう。
仕事内容(行事・責任や子どもとの関係性)
保育士は、なりたくてなる人がほとんどです。
その理由は、子どもが好きだから、というものが多いのですが、実際の保育士の仕事は、ただ「子どもが好き」というだけではこなすことができない仕事です。
子どもの成長を見守り、教育も任される保育士は、ただ子どもを可愛がるだけではなく、安全に細心の注意を払い、子ども同士のケンカの仲裁に入り、善悪の指導をおこない、体調のちょっとした変化にも常に気を付けていなければなりません。
この責任を「重い」と感じれば、それは保育士を退職したいと思う理由になりえるでしょう。
また、保育園は年間通してとても行事が多く、ひとつの行事が終わるとすぐに次の行事の準備に入り、場合によっては行事が終わる前から次の行事の準備を進めるということもあります。
入園式、お花見、遠足、子どもの日、母の日、父の日、梅雨のイベント、スイカ割り、プール、夕涼み会、夏祭り、運動会、お遊戯会、音楽発表会、展覧会、文化祭、バザー、芋ほり、敬老の日、クリスマス、お正月、節分、ひなまつり、卒園式…この他にも沢山の行事が考えられます。小さいものから大きいものまで、行事づくしの保育園で、保育士は常に時間と季節に追われています。
この忙しさを辛く感じて辞めたいと思う保育士もいることでしょう。
保育士が退職代行を使って仕事を辞める3つのメリット
保育士が仕事を辞めたいと思う理由を解説しましたが、当てはまるものが多く、やはり辞めたい!と思っても、なかなか言い出せないという方に、退職代行を使って保育士の仕事を辞めるメリットを3つご紹介いたします。
引き止めに合わない
保育士は常に人手が足りていません。
その理由は、多くの保育士が結婚や出産を機に退職してしまうことや、給料が低いため応募数が少ないことなどが挙げられます。
そのため、退職したいと伝えても「人手が足りないから辞めないでくれ」と引き止められてしまう可能性は決して低くありません。
退職代行を使えば、第三者が間に入って退職の意向を伝えて退職の手続きを進めてくれるため、引き止めに合う可能性が大幅に低くなります。
年度末でなくても退職できる
保育士など教育従事者は年度に縛られて辞めたい時に辞められないと言われています。
キリの良い年度末までは働かなければならない、と思い込んでいる人が多いためです。
しかし、年度末まで待たなければならないという義務はありません。
保育士は、一般的な企業と同じく退職する2週間前までに退職の意向を伝えれば退職することができます。
それでも、やはり「なぜ年度末まで働けないんだ」や「せめて年度末までは続けてくれ」などと言われてしまうことを恐れて、なかなか退職したいと伝えられずに辛い思いをしながら働き続けて悩んでいる方が多いのが現状です。
この悩みを解決できるのが退職代行です。
退職代行を使えば、即日退職も可能なため、年度末かどうかということを気にせずにいつでも退職に踏み切ることができます。
職場(保育園)へ行き職員や保護者と顔を合わせなくて済む
保育士が仕事を辞めたい理由のトップである人間関係。
同僚や保護者と何らかのトラブルに陥ってしまい仕事を辞める際には、やはり顔を合わせたくないというのがホンネでしょう。
退職代行を使えば、退職の意向を伝えるところから、保育園へ行く必要がなくなります。
職員や保護者と一切顔を合わせずに仕事が辞められるのです。
保育園で働くのがツライと感じたら退職代行に相談
保育士の仕事は責任ある立派な仕事であり、子どもたちの成長を支える大切な仕事ですが、同時にとても大変な仕事でもあります。
保育士として働くことが辛くなり、保育士を辞めたいと考えるようになったものの、言い出すタイミングが掴めない、引き止めに合うのが怖い、今すぐにでも辞めたい、このままでは鬱になってしまう、などと悩んでいる方は、是非一度退職代行サービスに相談してみてください。
退職代行を使って保育士を辞める際のまとめ
- 退職代行を使えば3万円前後で即日退職可能
- 保育士が辞職する理由で特筆すべきなのは特筆給料の低さや労働環境の悪さ
- 退職代行は教育現場特有の年度に縛られずに退職を可能にする