退職証明書とは?離職票との違い

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会社を退職し、次の仕事が決まると、新しい就職先から「退職証明書」の提出を求められることがあります。
また、次の仕事が決まっていない状態で退職してしばらく無職となった場合は、国民健康保険と国民年金の手続きをしなければなりませんが、その際にも「退職証明書」「離職票」の提示が必要になります。

「退職証明書」も「離職票」も、どちらも文字面から似たような意味合いであるように思えて、その違いがいまいち分からないという人も多いのではないでしょうか。
何が違うのか、どちらかひとつがあれば良いのか、どちらも必要なのか、退職した会社が勝手に発行してくれるのか、申請が必要なのか、詳しく解説いたします。

退職証明書とは

まず、退職証明書は、会社を退職していることを証明する書類です。
退職後に就職が決まった新しい会社に提出することで「前の会社は退職している」ことを証明する他に、社会保険、厚生年金などに加入していないことも証明してくれます。

日本では社会保険や年金に重複して加入することができないため、二重加入を防ぐためにも退職証明書の提出が求められるのです。

発行元

退職証明書の発行元は会社です。
必要な内容が含まれていれば書式は会社ごとに自由に決められます。

内容

退職証明書の内容には下記6点が含まれます。

  • 退職年月日
  • 会社に所属していた期間
  • 業務の種類
  • 事業での地位
  • 退職前の賃金
  • 退職事由

いつどのように発行されるか

退職から2年以内であれば、本人申請により何度でも発行可能です。
会社によっては申請がなくても一度だけ送られてくることもあります。申請しなければ発行してくれないところもありますし、退職時の書類に必要かどうか記入するシステムの会社もあります。
退職前に発行してくれることもあるため、すぐに必要な場合は会社に問い合わせてみましょう。

 

どんな時に必要になるか

新しい職場に提出を求められます。
役所で国民年金や国民健康保険に加入する手続きをおこなう際にも必要になります。

 

離職票とは

離職票も退職証明書同様、退職したことを証明する書類ですが、退職証明書よりもより細かい情報が詰め込まれています。
誰かが退職すると、会社は離職証明書を作成してハローワークに提出しなければなりません。その際に発行されるのが離職票で、「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」が退職者の元へと郵送されます。

失業手当を受け取るために必要な書類であり、申請しなくても自動的に発行される書類です。
退職後にハローワークに提示し、条件を満たしていれば失業手当を受けることができます。

発行元

離職票の発行元は国です。国が公的機関を通して発行する公文で、書式が統一されています。

内容

離職票は離職証明書を作成、提出する際に発行されるものです。
「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」の2通からなり、「雇用保険被保険者離職票-2」は離職証明書の写しとなっています。離職証明書の内容は非常に細かいため、箇条書きはできないのですが、離職事由や勤務期間、退職年月日、給与や地位など、前職の情報が仔細に記載されています。
「雇用保険被保険者離職票-1」はハローワークから発行されます。

いつどのように発行されるか

退職してから10日以内に退職者の自宅に郵送されます。
離職票は退職者の申請や希望の有無に関係無く、会社の義務として必ずされるものです。

どんな時に必要になるか

ハローワークで失業手当を受け取る時に必要になります。
また、役所で国民年金や国民健康保険に加入する手続きをおこなう際にも「退職証明書」の代わりに提示することができます。

退職証明書と離職票は結局どちらも必要なのか

退職証明書も離職票も、どちらも「退職を証明する」書類でした。
違う点は、発行元と発行の方法(申請なのか自動交付なのか)などで、内容に関しては共通点も多いです。

  退職証明書 離職票
発行元 各企業 国家
交付 申請 自動交付

また、役所での国民年金、国民健康保険への加入手続きをおこなう際には「退職証明書」でも「離職票」でもどちらでも構わないとしている自治体も多く、結局離職票だけで良いのでは、と思ってしまいがちです。
しかし、転職先、再就職先から退職証明書の提示を求められる可能性を考慮して、退職証明書は発行してもらうことをおすすめします。

離職票は退職後2週間を過ぎても届かなければ問い合わせて発行要請

離職票は本人からの申請の有無を問わず、必ず発行されるもので、退職後10日以内に郵送で届きます。
2週間を過ぎても届かなければ、会社に問い合わせてみましょう。
離職票の発行を要請しているのに会社が応じない場合は、ハローワークや転職先に相談しましょう。

退職証明書は退職時に1部発行してもらうと安心

退職証明書は、申請しなくても会社から発行されるケースと、申請しなければ発行されないケースがあります。
これは会社の方針によって異なります。

退職時に提出する書類に「必要書類」という項目があり、必要な書類にチェック、あるいは部数を入れる様式となっていたら、ひとまず退職証明書は1部発行してもらうように申請しておきましょう。

退職証明書は退職してから2年以内であれば、何度でも会社に申請して発行してもらうことができます。ただ、退職した会社に連絡することを億劫に思う人もいるでしょう。
また、退職してから月日が経ってしまうと、連絡先を紛失してしまったり、どのように問い合わせたら良いか分からなかったりといったことが起こるかもしれません。

そんな時に困らないためにも、まずは1部だけでも発行してもらうのがおすすめです。

退職証明書と離職票に関するまとめ

  • 退職証明書は、会社を退職していることを証明する書類で社会保険、厚生年金などに加入していないことも証明
  • 離職票は離職証明書を作成、提出する際に申請しなくても自動的に発行されて失業手当の申請に必要
  • 退職証明書・離職票はどちらも退職を証明する書類で共通点が多い
  • 再就職時に提示を求められる可能性から掲示退職証明書を発行してもらうことをおすすめ