新型コロナの影響で退職代行サービスを利用する人が増加の理由

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2020年になってから世界中を騒がせている新型コロナウィルス、covid-19。
4月16日には、それまで7都府県だった緊急事態宣言が全国に拡大し、日本もいよいよ深刻な局面に立たされることとなりました。

さて、この新型コロナウィルスは、私たちの命だけではなく生活も脅かしています。
飲食業やイベント会社、芸術業界など、様々な業界が存続の危機に陥る事態となり、国は一刻も早い支援、援助を求められています。

しかし、何よりも大切なのは命に他なりません。

この新型コロナウィルスの影響を受けて、会社によって対応の仕方が様々であり、それにより、自分の働き方や、勤め先の会社と自分の価値観などについて、見直す人も増えています。

そして、その結果、退職代行サービスの利用数が増加しています。
業界で見ると約2割程度増加しており、爆発的ではないにしても、増加傾向にあることが分かります。

今回は、なぜ退職代行サービスの利用が増加しているのか、新型コロナウィルスの影響下で起こる様々な人間模様、仕事と人の関係、利用者の心理などを深堀りしていきます。

そもそも退職代行サービスは何のために存在しているのか

そもそも、退職代行サービスは、自力で退職できない人のためのサービスです。
サービス料を支払い、自分の代わりに会社へ退職したい意向を伝え、退職の手続きをおこなう上での窓口になるサービスで、コロナウィルスに関係無く「会社を辞めたい。でも自分からは言い出せない」という人のサポートをおこなっています。

退職代行サービスを利用する人は、大きく2つに分けられます。
自分から言い出せない人と、会社から引き止めにあっている人です。

自分から辞めたいと言い出せない

まず、自分から辞めたいと言い出せない人ですが、中には単純に勇気が出ないだけ、あるいは会社に迷惑がかかることを恐れて、という至って個人的な理由の人もいます。
もちろん、このような「気持ちの問題」という人の依頼も、退職代行サービスは受けているので、ストレスを感じることなくスムーズに退職するために利用することができます。

一方で本人の気持ちの問題だけではないケースもあります。
それがブラック会社やブラック上司です。例えばとんでもなく横暴で恐ろしい上司がいて、恐怖政治のように職場を支配していて、とてもじゃないけれど退職したいなどと言い出せない雰囲気の場合には、退職代行サービスを活用して上司や会社と揉めることなく退職できます。
また、「忙しい」というのを理由に、上司に退職を伝えたくても時間を取ってくれない、しかもおそらく自分が退職したいと言い出すのを察してそれを妨害しているようだ、という場合にも退職代行サービスを活用できます。

そして、深刻なストレスにより鬱状態となり、そもそも会社へ行く気力すらない、もう明日から会社へ行きたくない、という精神状態に追い込まれてしまった人も、退職代行サービスを利用できます。
退職代行サービスは、会社へ行くことなく、連絡を取ることもなく、退職できるサービスです。

退職の意向を会社が受け入れてくれず引き止めにあっている

自分で退職したいと上司に伝えても、引き止めにあってしまうというケースがあります。
基本的に、退職は全ての労働者に平等にある権利なので、退職の意向を伝えれば、その日から2週間後には退職できるのですが、なかなかそれを認めてくれない会社もあるようです。

何度も引き止めにあい、どうにもならなくなった際には退職代行サービスを利用することによってスムーズに退職できます。

通常時に退職したいと思う理由

新型コロナウィルスに関係無く、通常時に退職したいと思う理由を簡単にピックアップしてみました。

就労条件への不満

まず、賃金や労働時間、残業、休日出社などの就労条件への不満です。
退職理由として最も多いものと言われています。

人間関係の不満やトラブル

就労条件への不満に次いで多い理由が人間関係です。
「合わない人がいる」というライトなものから、パワハラやセクハラ、いじめなどの深刻なものまで幅広いです。

仕事内容への不満

仕事内容にやりがいを感じない、仕事内容そのものがストレスになっているなど、仕事内容への不満も退職理由として考えられます。

その他結婚や引っ越しなど止むを得ない理由

これは引き止めようのない理由ですが、結婚や引っ越し、親の介護、自身の疾病による療養など、止むを得ない理由で退職するケースもあります。

新型コロナウィルスの影響で退職したいと思う理由

新型コロナウィルスの影響を受けて退職したいと考えている人の退職理由は、通常時とは大きく異なります。
ひとつひとつ見ていきましょう。

労働環境や職種の特性上人との濃厚接触が避けられない

まず、労働環境、職種、業種などの特性によるものです。
建築業など、現場へ行かなければ仕事にならないような職業は在宅勤務やテレワークができません。
あるいはスーパーやコンビニ、薬局など、緊急事態宣言下でも営業しなければならない接客業は出勤しなければならない上に不特定多数の人と接触します。

コロナウィルスに対応している医療現場は忙しさと疲弊、そしてストレスが絶えない状況ですし、何よりも常に感染リスクにさらされています。
また、最近では歯医者での感染リスクの高さと、なぜか不要不急の予約が殺到しているということがニュースになっていました。

このように、仕事柄、在宅勤務やテレワークができず、かつ人との接触が多い仕事は、このご時世にあって「辞めたい」と思う人が増えています。

自分自身や家族に重症化のリスクがある

新型コロナウィルスは、8割の人が感染しても軽症で回復すると言われています。
しかし、重症化すると、その悪化スピードがものすごく早く、人工呼吸器をつけるまでに至った人の半数近くが亡くなっているという報道もなされました。

そして重症化しやすい人として挙げられているのが、高齢であることと、基礎疾患(持病)があることです。

このリスクをふまえて、下記のような人で、在宅勤務やテレワークができずに人と接するような仕事をしている人は退職を考えるようです。

  • 自身に持病がある
  • 自身が高齢である
  • 妊娠している
  • 小さな子どもがいる
  • 高齢の両親や祖父母と同居している
  • 家族に持病のある人がいる

会社のコロナウィルスへの対応に疑問を感じる

新型コロナウィルス対策は会社によって様々です。

例えばスーパーマーケットでは、レジのところにビニル製ののれんのようなものを掲げてレジ打ちの人と客の間にしきりを作ったり、レジに並ぶ人が立つ場所にビニールテープを貼りソーシャルディスタンス(人と人の間隔)を確保できるようにしたり、入り口にアルコール除菌液を置いたり、工夫がなされています。

会社であれば、在宅勤務やテレワークを実施したり、どうしても出勤が必要な仕事に関してはグループに分けて人数を減らし、週に1回だけの出社にしたり、出社時間をずらしたり時短勤務にしたり、仕事内容や方針によって様々な対策を打っています。

飲食店であれば、店内飲食を休止にする代わりに宅配や持ち帰りにシフトチェンジしたり、席の間を広げてソーシャルディスタンスを確保したり、完全予約制にして混雑しないように配慮したり、こちらも店によって様々な対策を打っています。

そんな中で、一部の会社ではその対応が不十分であったり、理解できないものであったりするケースが出ているようです。

在宅勤務やテレワークで対応できるはずなのに実施せず社員を出社させたり、家に高齢の両親がいるため出勤したくないという社員に「だったら欠勤だ!」と脅したり、社員のことや社会のことを考えていない会社もあるようです。

コロナウィルスの対応に疑問を感じた実例

実際に、こんな事例が耳に入ってきました。
ペットショップは東京都のガイドラインで休業を要請する(ただしペットフード売り場だけは休業要請から除外)とされていますが、都内のとあるペットショップでは、休業どころか従業員に「今こそチャンスだからしっかりと営業してペットを売ること!」と言い放ったそうです。

ペットフード売り場だけでなく、ペット売り場も通常通り営業し、営業時間の短縮なども一切行わず、それでいながら社員たちには「万一コロナウィルス感染者が出たら店は終わる。絶対にかからないように」と言っているそうです。
コロナウィルスは、気を付けていればかからない、というものではありません。
感染を防ぐためには、とにかく人と接触しないことが大切です。

ペットを販売する際には、色々と説明をしなければならず、ペット保険への案内もするため、長時間至近距離で会話をしなければなりません。
感染リスクを高めてしまうのに、なぜ「今が売り時」としてペットの販売に力を入れるように促すのだろう、と働いている社員たちは不信感を募らせたと言います。

新型コロナウィルスの影響で退職代行サービスを利用する理由

新型コロナウィルスの影響を受けて「辞めたい」と思う人が多くいることは分かりましたが、自分で退職すると申し出れば良いだけのことでは?と思われた方もいらっしゃることでしょう。

なぜ、自分で退職せずに退職代行サービスを利用するのか、その理由を上げていきます。

テレワークや在宅勤務で辞めることへの後ろめたさが軽減した

まず、こちらの理由は「コロナがきっかけとなって辞めたいと思った」というよりも「前々から辞めたいと思っていたところ、コロナの影響で辞めやすくなった」というパターンです。

コロナウィルスの影響で在宅勤務やテレワークが実施され、会社へ行かなくなったことにより、会社へ行かないことに対する後ろめたさが軽減し、兼ねてから辞めたいと思っていた人たちの背中を押しているようです。

そもそも、退職する際に言い出せない理由として、辞めたいと言った後に気まずくなる、辞めたいと言った時の反応が怖い、というものがありますが、退職代行サービスを使って退職するのにも「いきなり会社へ行かない」ということに対する後ろめたさがあり、自分からも退職を切り出せず、かといって退職代行も頼めない…という人が数多くいます。

そんな中で、会社へ行かない日々が続くと、会社へ行かないことに対する後ろめたさが軽くなったり無くなったりして、これを機にやっぱり辞めよう、と思う人が多い傾向にあります。
その際にも会社に連絡するのが億劫で、また、出社できるようになってからにしてくれ、と言われるのが嫌で、退職代行サービスに依頼する人が増えています。

脅し文句のような形で出社を強要され退職を申し出られる雰囲気ではない

新型コロナウィルス騒動の最中にあって、本当は出社したくないのに出社を強要されて退職を考える人の中には、職場に張りつめたピリピリとした空気感の中、とても退職を申し出られるような雰囲気ではない、という悩みを抱えている人もいます。

今「辞めたい」なんて言い出したら、きっとコロナのせいで辞めるんだろ、お前は会社を捨てるのか、などと罵倒されるだろう…といった恐怖心を抱えている人も、会社に連絡せず退職できる退職代行サービスを利用します。

退職したいと申し出ても断られた

実は、新型コロナウィルス騒動は、退職を切り出しやすい環境も作っています。
通常時であれば、良い退職理由が見つからず、あるいは退職理由の伝え方が分からず、なかなか退職を言い出せなかったという人も、この新型コロナウィルスのせいにしてしまえば退職しやすいからです。

例えば「家に小さな子どもがいて、不特定多数の人と接触するのが怖い」というのは立派な退職理由になります。

しかし、同じようなことを考える人は大勢います。
退職の申し出をする人が増えれば、会社は困ります。それゆえに引き止めが生じるケースも増えてきています。

自ら会社に退職したいと申し出ても引き止めてあってしまい、退職を受け入れてもらえなかった時にも、退職代行サービスを活用できます。

会社へ行って退職を申し出て感染するのが怖い

新型コロナウィルスの脅威にさらされたくないため、そもそも出社したくない、という人もいるでしょう。
電話1本で「退職します」と伝えて「はい、わかりました」とスムーズに事が進む会社はそう多くありません。退職するならば、きちんと出社して上司に申し出て所定の手続きを踏まなければならない会社がほとんどです。

それでも、こんなご時世だから家から一歩も出たくない、会社になど行っている場合ではない、という切羽詰まった人もいるでしょう。持病があったり、家族に重症化のリスクを抱えている人がいれば、なおさらです。

そんな時にも、出社の必要の無い退職代行サービスは役立ちます。

大変な時に自己都合で辞めるのは気が引ける

人と接触したくない、出勤しなければならない仕事はしたくない、そんな想いを抱えながらも、仕事をしなければ社会が回らないために、感染リスクの恐怖と闘いながら必死で働いている人が多くいる中で、自分だけが退職するのは気が引ける、と思う人もいるでしょう。

しかし、どうしても仕事よりも命や安全を大事にしたい、自分は仕事を辞めたい、と思ったら、やはり退職するしかありません。
それでも心理的には会社を裏切るようでなかなか言い出せない、ということもあるでしょう。

そんな時にも、本人は一切会社に連絡をしなくて良い退職代行サービスを活用できます。

会社へ行かずに退職するならば退職代行サービスがおすすめ

新型コロナウィルスの影響で、会社を退職したいと思ったり、かねてから退職したいと思っていて今がチャンスだと思ったりする人が多いようですが、もし会社へ行かずに退職したいと思ったら、退職代行サービスがおすすめです。

退職代行サービスは、会社へ行くことなく、そして会社と一切連絡を取ることもなく、退職することができます。

気持ちの面でもストレスを抱えずに、引き止めにあうこともなくスムーズに辞められるので、少しでも悩みを抱えていたり「辞めたいのに辞められない」というジレンマに陥っている方は、一度相談してみてください。

新型コロナの影響による退職代行サービス利用に関するまとめ

  • 感染リスクにさらされる職種で在宅勤務ができない
  • 会社が感染対策をしていないことが不安
  • 感染が心配だが退職を受け入れてもらえなかった
  • 会社へ行かずに感染リスクなく退職するならば退職代行サービスへ依頼