退職代行で会社を辞めたけど、返却物は郵送でも良い?主な返却物一覧と受け取る書類のまとめ
退職代行サービスは、会社へ行くことなく会社を辞められるサービスです。
退職代行サービスを利用して会社を辞めるタイミングは人それぞれです。
前々から計画的に「退職代行サービスを使って退職しよう」と企てて、引き継ぎのためのメモを作ったり、自宅にあった会社の備品をオフィスに持って行ったり、といった準備ができる人もいれば、「もう嫌だ!!明日から会社へ行きたくない!!!」と突然限界が来て退職代行サービスを利用して辞める人もいます。
後者の場合は、会社の備品が自宅にあることもあるでしょう。
また、どんなに用意周到に退職への準備をしても、退職代行サービスを使って辞めることになった後に会社に返却しなければならないものもあります。
そして、次の就職のために必要な書類を会社から受け取らなければならないということもあります。
今回は、退職代行で会社を辞めた後に、会社に返却しなければならないものと、会社から受け取らなければならないものについて、解説していきます。
目次
会社への返却物は郵送で返却すればOK
会社に返却しなければならないものがある場合、郵送で会社に送ればOKです。
ただ、保険証の扱いには注意が必要です。後ほど詳しく説明します。
郵送方法は、返却する物や会社の方針によって様々です。
宅急便を使うのか、郵便を使うのか、もし会社指定の方法があれば、それを退職代行サービスのスタッフに確認してもらって、会社の指定方法に従うようにしましょう。
直接持ち込みもOK
もし、会社へ行くことに抵抗が無ければ、直接持ち込んでも大丈夫です。
また、退職代行サービスを利用する前に計画的に退職に向けて準備ができる場合は、その期間中に少しずつ貸与品を会社に置いておくようにすることで、郵送で返却しなければならないものが保険証や社員IDカードぐらいになり、送料も抑えられて手間も削減できます。
返却は退職代行サービスに依頼できない
会社への返却物を郵送することは、退職代行サービスに依頼することができません。
これは、自分でやらなければならないことですし、送料も自己負担となることがほとんどです。(着払い指定の会社もあるかもしれませんが、ほとんど無いでしょう)
そのため、会社からの貸与品が自宅にある方は、退職する前に会社へ持ち込んでおくのが良いでしょう。
会社に返却しなければならないもの
会社から借りたものなんて家に無いし…という方もいらっしゃるかもしれませんが、保険証や社員証をお忘れではないでしょうか。
保険証、社員証、そしてデータ類なども、会社へ返却しなければなりません。
会社への返却物一覧
次の一覧の中に当てはまるものがあれば、会社へ返却しましょう。
- 保険証
- 社員証、IDカードなど
- 名刺
- 会社支給の定期券
- 会社支給のクレジットカード
- 会社貸与の携帯電話
- 会社貸与のタブレット端末やノートPC
- USBメモリなど、会社貸与の備品
- 制服、名札など
- 会社貸与の書籍
- 仕事関係のデータや書類など(返却もしくは削除)
この中で、保険証、制服、データや書類の3つについて、もう少し詳しく解説していきます。
保険証は確実に届く方法で
保険証はたった1枚のカードなので宅急便を使うような物ではないという事で、ついついもっとも送料が安い普通郵便を使ってしまいそうになりますが、これは危険です。
日本の郵便はかなり信頼できるため、ほとんどのケースできちんと送付先に届きますが、追跡ができないため、万一届かなかった時にトラブルになってしまいます。
確実に会社に届くように「簡易書留」か「書留(一般書留)」、もしくはレターパックライトを使い、追跡できるようにしておきましょう。
退職代行サービスのスタッフから、どの方法で郵送返却すべきかという指示があるはずですので、そのやり方に従うのが確実です。
制服を洗うか洗わないかは普段のやり方に従って
会社指定の制服が家にあり、それを返却する際に困るのが、洗って返すか、クリーニングに出すか、それともそのままか、という点でしょう。
これは、普段のやり方に従うようにしましょう。
例えば、普段の制服は自宅で洗濯し、クリーニングも定期的におこなっている場合は、きちんとクリーニングに出してから返却しましょう。
逆に、クリーニングが必要になった制服は、会社の指定場所に出しておけば会社側がクリーニングしてくれるというシステムの場合は、勝手にクリーニングに出さずに、そのままの状態で返却しましょう。
会社指定のクリーニング方法があるのに、勝手に別のクリーニング店に出してしまうとトラブルになる可能性があります。
データや書類は手元に残さないように
データや書類は、返却、もしくは削除という方法を取ることになります。
例えば、書類を返却するよう言われた場合は、そのまま確実に会社に届く方法で返却しますが、書類の破棄を要請された場合は、シュレッダーがある場合はシュレッダーにかけて、無ければハサミで細かく切って処分します。
データについても、CD-ROMやUSBデータなど、データの入った媒体を返却する必要があれば、郵送返却します。しかし、自分のノートPCなどに会社関係のデータを入れていることもあるかもしれません。そういった場合は、速やかにデータを消去し、後々トラブルにならないように万全を期しましょう。
会社への返却物を紛失していたら
保険証や社員証など、会社への返却物を紛失してしまっていたら、正直に会社に伝えましょう。退職代行サービスを利用した退職であれば、退職代行サービスのスタッフに伝えれば会社に伝えてくれます。
そして、どのような対処をすべきか、会社(退職代行スタッフ)からの指示を待ちましょう。
場合によっては、本人確認のために出社を要請されることもあるようです。
この場合は、止むを得ませんが、会社へ出向いて手続きを進めましょう。
会社への返却物を送り返さなかったら
会社に返却すべきものを返さなかったらどうなるのでしょうか。
文房具や書籍などの備品であれば、大きなトラブルになることはあまり考えられませんが、保険証に関してはこと注意が必要です。
保険証を返却しないと、保険会社から会社に連絡が入ります。
そして会社から本人に早く返却するよう督促の連絡が入ります。
また、退職して失効している保険証を誤って身分証明などで使ってしまうと、詐欺罪の疑いで逮捕されます。
間違っても保険証を返却せずに、身分証として使ってしまったなどということが無いように、くれぐれも注意しましょう。
保険証を返却したら国民健康保険への加入を忘れずに
保険証を返却してしまうと、病院にかかった時に10割負担となります。
また、日本は国民皆保険制度というルールを設けていますので、全国民が何らかの健康保険に加入しなければなりません。「自分は10割負担でも良い!病院にはかからない!!」と豪語していれば保険に入らなくても良いというわけではないのです。
会社の保険から外れたら、国民健康保険に加入しなければなりません。
市役所に行けば加入の手続きができるため、退職して保険証を返却したら早急に市役所に言って国民健康保険の加入手続きをおこないましょう。
この時に必要となるのが「退職した証明」です。
離職票や退職証明書の提出が求められるのです。会社へ返却すべきものを返却したら、今度は会社から必要な書類を受け取らなければなりません。
会社から受け取らなければならない書類・受け取った方が良い書類
会社を辞めた際に、会社から受け取るべき書類があります。
必ず受け取らなければならない書類、受け取っておいた方が良い書類、既に自分の手元にあるかもしれない書類など、ケースバイケースで微妙に異なりますので、詳しく解説します。
受け取る書類一覧
まずは分かりやすく一覧で見てみましょう。
会社から受け取る書類は次の5種類のうち、全て、もしくは一部となります。
- 離職票
- 退職証明書
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
それではひとつひとつ細かく見ていきましょう。
離職票
離職票は、全てのケースにおいて受け取るべき書類です。
会社を退職したことを証明する書類で、ハローワークで失業手当を申請する際に必要になります。被保険者ではなくなってから10日以内に郵送で自宅に送られてきます。
2週間以上経っても届かなければ会社に確認して催促しましょう。
退職証明書
離職票とは別に退職証明書というものが発行される会社もあります。
この書類はマストで必要なものではありませんが、次の会社に就職する際に必要になることがあるため、もし退職時の手続きで必要書類にチェックを入れるような書類を渡されたらチェックを入れておいて1部もらっておくと安心です。
雇用保険被保険者証
雇用保険に加入していることを証明する書類です。
雇用保険の受給手続き時に必要となり、次の就職先で提出が求められます。
年金手帳
年金手帳については、既に自分で持っている場合があるため、会社から送られてこない場合はまず自宅にあるかどうか確認してみましょう。
新卒で会社に入社すると、厚生年金手帳を作るのですが、個人に渡すと紛失することが多いため、会社で管理していることが多いです。そのため、新卒で入った会社を退職する際には年金手帳が送られてきます。しかし、中途で入社した会社の場合、入社時に年金手帳を提出すると、その年金手帳が会社で保管されるかすぐに本人に返却されるかは会社によって異なります。
すぐに返却された場合は自宅にあるはずです。
もし、会社から送られてこず、自宅にも無ければ、一度問い合わせてみましょう。
会社で管理していない場合は紛失の可能性が高いため、市役所の年金課に相談しましょう。
源泉徴収票
1年間の所得で税金(所得税、住民税)が確定するため、次の就職先に提出するために会社から発行されるものです。もし次の会社に就職せずに年を越した場合は、自分で確定申告に行く必要があり、その際に提出が必要となる書類です。
会社から受け取るべき書類が送られてこない時は
会社から受け取るべき書類が送られてこない、という事はあるのでしょうか。
答えは、残念ながら、あります。
特にブラック企業などはこういった書類の管理や退職後の手続きなどにずさんな点が多く、離職票が届かない、年金手帳を紛失された、といったトラブルが相次いでいます。
もちろんきちんとした会社であれば、このようなトラブルの心配はほとんどありません。
しかし、一部の会社では実際にトラブルが起こっています。
また、慣れない新人が手続きを担当した場合にもうっかりミスで書類の送付漏れが起こることもあります。
必要な書類が送られてこなかった時は、会社に直接問い合わせるのが一番ですが、会社と連絡を取りたくないから退職代行サービスを利用したのに…という方は、まず利用した退職代行サービスに問い合わせてみましょう。
返却物一覧と受け取る書類についてのまとめ
- 会社に返却しなければならないものがある場合は郵送で会社に送ればよい
- 退職時には保険証や制服・データ・書類を返却しなければならない
- 退職時に会社からもらうものは離職票・退職証明書・雇用保険被保険者証・年金手帳・源泉徴収票がある