退職届は親や知人に頼んで代理人提出でも可能か?

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会社を辞める時に必ず提出する退職届。
退職する旨はまず口頭で上司に伝えるのがベターですが、その後必ず人事部に退職届を提出し、書面として退職の意思を残します。これにより、会社は「本人の意思によって退職を希望している」として退職手続きを進めます。

では、退職届は、親や知人が代筆したり代理で提出したりしても有効になるのでしょうか。

退職届の代筆や代理提出は本人の意思によるものと分かればOK

結論から言ってしまうと、退職届の代筆代理提出は、本人の意思によるものであると分かれば有効となります。

委任状のように代理を任せる書面を書いて自筆の退職届を代理で提出してもらったり、会社側と電話で通話して退職届を代筆・代理提出する旨を伝えたり、何らかの方法で「自分の意思で退職する」という事を示せれば、その退職届は受理され退職の手続きがとられます。

逆に、本人の意思によるものと分からないもの、あるいは本人の意思によるものではないと分かったものは無効となります。
本人は辞めたくないのに親が無理やり辞めさせようとして代筆して勝手に提出しようとしたり、上司が本人に成り代わって勝手に退職届を書いたり、このようなケースの退職届は全て無効となります。

退職届の代筆や代理提出が生じるケースの例

本人の意思によるものだと分かった上で代筆や代理提出が生じるケースには、具体的にどのようなものが考えられるのでしょうか。

例1:交通事故による怪我で退職届を自筆できない場合

交通事故に遭って、意識はハッキリしているものの怪我のせいで退職届が自筆できない場合は代筆が認められます。また、退職届を自筆できても自分で提出できない場合は代理提出が認められます。
その他、病気により提出が困難な場合も、本人の意思が確認できれば代筆、代理提出が認められます。

例2:勾留中もしくは拘留中に退職する場合

何らかの理由で勾留中、もしくは拘留中となっている場合は、自分で退職届を提出することができないため、弁護士などに委任して代理提出してもらうことになります。
この際には退職届は自筆できるため、自筆の退職届と委任状を託して、自分の意思であることを示してもらいましょう。

2つ例を挙げましたが、本人の意思によるものだと分かる状態で退職届の代筆や代理提出が生じるケースはごく稀です。
そのため、退職届は基本的に代筆ではなく自筆のものを用意し、自分で提出するのが良いと覚えておきましょう。

退職届の代筆や代理提出が認められないケース

退職届は本人の意思によるものであると明示できなければ代理提出できません。
したがって、下記のようなケースは代筆や代理提出が認められません。

例1:本人の意識が無い

事故や病気により本人に意識が無い場合、退職届の代筆や代理提出は認められません。
この場合、休職扱いとし、休職期間が満了した時点で自然退職となるのが一般的です。

例2:本人が行方不明

突然本人が行方不明となってしまい、家族が代理で退職届を提出したいと申し出ても、それは認められません。
後から本人の居場所が分かり、実は退職する意思は無かったと分かってトラブルにならないよう、会社としても受け付けるわけにはいかないのです。

退職代行サービスを利用した場合は退職届は代理提出となる?

会社を辞めたい、今すぐ辞めたい、もう会社へは行きたくないし、関わりたくもない・・・
そう思い、退職代行サービスを利用する方は少なくありません。

退職代行サービスの多くが「即日退職可」や「会社と連絡を取らずに辞められる」などと謳っています。つまり、退職代行の依頼をしたら、もう会社へ行く必要は無いし、会社とは一切連絡を取らなくても済むのです。

しかし、ここでひとつ疑問が浮上します。
退職届はどうなるんだろう・・・?

ほとんどの退職代行サービスでは、退職の意思を会社へ伝えた後、退職届提出をはじめとする退職に関する手続きの方法を会社に確認し、それを本人に伝えます。
自筆した退職届を郵送で会社へ送ることが一般的で、退職代行サービスは退職届の代筆や代理提出は請け負っていません

退職代行サービスを利用すれば、退職届の書き方や会社へ行かずに済む提出方法を教えてくれるため、実質即日退職になっても、会社と一度も連絡を取らなくても、代筆や代理提出ではなく本人による退職届の提出として受理されます。

そのため、会社に行きたくない、自ら会社に退職の意思を伝えたり退職届を直接手渡ししたりしたくない、という方には退職代行サービスを活用されることをお勧めいたします。

まとめ

退職届は、本人の意思によるものだという事がはっきりと分かる場合にのみ有効となります。意識が無くても、行方不明になっていても、本人の意思が確認できない限り受理されません。退職届の代理提出を依頼する際には必ず自筆の退職届と委任状を作成して、自分の意思であることを明確にしましょう。
後々トラブルにならないよう、退職届は必ず自筆のものを用意しましょう。
退職代行サービスを利用する場合にも、自筆の退職届を会社へ郵送することにより、代理提出ではなく自分で提出したものとして、本人の意思による退職届と認められます。

退職届を代理人提出する際のポイント

  • 本人の意思で退職することを明確にする
  • 退職届の代筆や代理提出が生じるケースはごく稀
  • 退職届は基本的に代筆ではなく自筆のものを用意
  • 自ら会社に退職届を直接手渡したくないという方には、退職代行サービスがお勧め