円満退職は退職理由が重要!伝え方の例やNG理由などのまとめ
「会社を辞めたい」ということを伝えるのは誰もが緊張します。
上司との関係にヒビが入らないように、会社とトラブルにならないように、円満退職するために退職の意向を伝える際にも色々なことに注意しなければなりません。
特に退職理由については、上司を納得させることと、嫌な気分にさせないことを念頭に、その内容はもちろん、伝え方や言葉選びも慎重に考えなければなりません。
円満に退職できる退職理由の例と伝え方についてご紹介いたしますので、参考にしてみてください。
目次
退職理由の本音と建前
退職したいと思う理由のトップ3は「収入への不満・労働時間への不満・人間関係」です。
給料が低い、残業が多い、人間関係がうまくいかない、という事が退職したい理由のトップを占めていますが、どれもポジティブなものではありません。
しかし、このポジティブではない理由をそのまま会社へぶつけてしまうと、円満退職は難しくなります。
ここで、退職理由の本音にはどのようなものがあるのか、建前として使われる退職理由にはどのようなものがあるのか、見てみましょう。
退職理由の本音
- 収入に不満がある(給料が低い、ボーナスが出ない、他)
- 労働時間に不満がある(残業が多い、休日出社がある、他)
- 人間関係(いじめや嫌がらせ、合わない人がる、他)
- 会社の評価に不満がある(実力に見合わない業務しか与えられない、他)
- 会社の業績や将来に不安がある
- キャリアアップやスキルアップの見込みが無い
- 結婚や引っ越し、家庭の事情など外的な理由によるもの
退職理由の建前
- キャリアアップやスキルアップのため
- やりたい事ができる職場が見つかった
- 今いる会社では実現できないような事をやりたいと思った
- 体調不良で今の仕事を続けるのが難しくなった
- 家庭の事情で今の仕事を続けるのが難しくなった
- ワークライフバランスを実現するため
- 収入アップのため
本音をそのまま伝えるのはNG!不満は口にせずポジティブな言い方に変換
本音と建前の例を挙げましたが、例えば「収入に不満がある」という本音の退職理由と「収入アップのため」と建前の退職理由は、言っていることは同じことです。
「労働時間に不満がある」も「ワークライフバランスを実現する」と言い換えられています。
このように同じことを伝える上でも、不満があるという本音をそのまま伝えるのはNGです。不満をぶつけられた上司は決して良い気持ちにはならないでしょうし、不満があるならば不満を解消すれば退職しないでくれるかもしれないと思われるリスクもあります。
給料を上げるから辞めないでくれ、残業を減らして良いから辞めないでくれ、といった引き止めに合う可能性も考えられます。
そのため、不満を伝えるのではなく、ポジティブな言い方に変換して伝えるように心がけましょう。
外的な要因による退職理由は円満退職のポイントとなる
家庭の事情や体調面、結婚や引っ越しなど、外的な要因が退職理由に含まれると、円満に退職しやすくなります。
そのため、退職理由としてもこのような外的要因はよく用いられます。
退職を考える時、単純に「給料が低い」という不満だけで退職に突き進むのではなく、「給料が低いし残業も多い上に、実家の両親も歳をとってきてなるべく一緒にいてやりたいし将来も今の給料じゃ不安だし・・・」と色々な事情が複雑に絡み合うこともあります。
そういった場合は、ただ「給料が低い」という理由を伝えるのではなく「両親の介護の可能性なども考えられ・・・」など外的要因を併せて伝えると、上司を納得させるのに有効です。
退職したいという意向と退職理由の伝え方の例
それでは、実際に円満退職するための退職理由の伝え方の例をご紹介いたします。
例1:違う分野への挑戦を理由とする場合
「今の仕事にもやりがいを感じて働いて参りましたが、自分自身の長年の夢であった〇〇を実現させることを諦めきれず、チャレンジするならば今しかないと思い、退職することを決意いたしました」
この例文は、本音が給料や労働時間への不満であったり、キャリアアップやスキルアップを考えている場合でも使いやすい例文です。外的要因ではないものの、どんな人にでも使える汎用性があります。
例2:ワークライフバランスを理由とする場合
「〇〇により、自分自身のワークライフバランスを見直すようになりました。今いる環境で働くことにはとてもやりがいを感じていますし、会社に貢献するためには残業や休日出社も厭わない姿勢で向き合って参りましたが、自分を取り巻く環境に変化があったことをきっかけに働き方について考えました。その結果、より一層〇〇のために時間を使いたいと思うようになり、退職を決意いたしました」
〇〇には「子どもがうまれたこと」「両親が高齢になったこと」「結婚したこと」「体調を崩すことが増えたこと」など、自分の置かれた状況に合わせて適切なものを当ててください。
例3:体調不良を理由とする場合
「どうにか仕事を続けたいと頑張ろうと思ったのですが、皆さんにご迷惑をおかけしているという思いも強く、それによりストレスを感じて体調にも影響が出てしまうことから、退職してしっかりと療養することを決意いたしました」
診断書などがあれば、退職の話をする時に上司に提出すると、円満に退職できます。
外的要因で退職の場合は差し支えない範囲で具体的に伝える
結婚、引越し、出産、病気、介護、など外的な要因で退職をする際には、ひと言で「家庭の事情で」と伝えてしまいがちですが、なるべく詳細に具体的に理由を伝えるように心がけましょう。
「家庭の事情」だけでは「適当なことを言ってごまかそうとしているかもしれない」と思われてしまうかもしれません。
結婚する場合も、それだけでは「結婚しても続けられないのか」と言われる可能性があるため「夫の仕事が激務で家事は一切できず専業主婦になることを望んでおり、自分も専業主婦になることで納得している」や「夫の職場の近くで暮らすことになり、ここに通うことが難しい」など、結婚をきっかけに仕事を続けることができない理由を伝えましょう。
引越しであれば、物理的に勤務することが不可能(あるいは極めて困難)になることで、上司もすんなりと受け入れてくれます。嘘は良くないですが、引越しをする可能性が少しでもあれば、これを理由に退職することができます。
出産に関しては産休を取って復職するという方法もあるため、退職を希望する際には「子どもは保育園に預けずに親の手で育てたい」という意向を伝えると納得してくれることでしょう。
病気に関しては、先ほどの体調不良の理由でも述べた通り、診断書があれば上司も引き止められませんので、可能であれば診断書を用意しておきましょう。
介護についても「両親(あるいは義両親)の家が遠い」や「一日中様子を見ていないとならない」など、少しでも具体的に状況を伝えると、円満退職につながります。
これは言ってはいけない!絶対NGな退職理由
本音と建前の退職理由を紹介し、本音に不満があってもそれをそのまま伝えてはならないと述べました。
NGな退職理由について、もう少し具体的に見ていきましょう。
会社への不満・批判・批評
先に述べた通り、給料が低い、残業が多い、評価が気に食わないなど、会社への不満はそのまま伝えないように気を付けましょう。
また、会社のこういうところが悪い、将来性が無いなど、批判したり批評したりすることも絶対NGです。「お前に何が分かる」と思われてしまうので、心の中に留めておきましょう。
誰それが嫌い・気に食わない
人間関係を理由に退職する人も多いですが、退職理由を聞かれた時に、〇〇さんが嫌いだから、△△さんを合わないから、気に食わないから、などと言ってはいけません。
ただし、パワハラやセクハラ、明らかないじめがあった場合は別です。きちんと事実を伝えましょう。その際に証拠となる音声や写真があると有効です。場合によっては慰謝料請求もできます。
[仕事にやりがいを感じられない・好きになれない]
今の仕事にやりがいを感じられない、好きになれない、やる気になれない、などの退職理由もNGです。「他にやりたいことがある」や「別の分野でチャレンジしてみたい」など、前向きな理由に言い換えましょう。
まとめ
円満に退職するための退職理由について、例文やNG理由などを紹介いたしました。
ポイントは、建前をうまく活用してネガティブな本音は正直に伝えないということでした。会社の不満や批判、同僚や上司の悪口は避けて、前向きでポジティブな理由、もしくは外的でどうしようもない理由を挙げて退職の意向を上司に受け入れてもらい、円満に退職しましょう。
まとめ
- 本音をそのまま伝えるのは避けるべき
- 退職理由は具体的な方が良い
- 退職理由は前向きでポジティブな理由で