退職代行を使われたら会社は迷惑なのか?
退職代行サービスは、退職したいけれど、その事を上司に直接伝える事ができない、あるいはしたくない人に代わって退職の意向を伝えてくれるサービスです。 このような退職代行サービスを使って退職した場合、会社は迷惑だと思うのでしょうか。 会社の人たちにどう思われるのか、紐解いていきましょう。
退職代行を使われた時の会社の人たちの印象
ある日突然見知らぬ人が会社に電話をかけてきて、社員の使者だと名乗り退職の意向を伝えたら、会社の人々はどのような印象を受けるのでしょうか。 考えられる印象を挙げてみましょう。
- 非常識な奴だと思う
- 迷惑をかけられたと思う
- どうしたんだろうと心配に思う
- そんなに追い詰めてしまったのかと悲しく思う
- 無理もないと同情する
- 特に何も思わない
それぞれ、より詳しく分析していきます。
非常識な奴だと思う
やはり退職という一大事ですから、本来は本人が直接上司に伝えるべきことです。 それを本人は何も言わずに、代行者が辞める意向を伝えて、そのまま二度と本人は姿を現さないという事態となれば、やはり非常識な奴だと思われてしまっても仕方ないと言わざるを得ないでしょう。 特に年配の方や、礼儀を重んじる方は、けじめをつける事を大切にするため、自らの言葉で退職を表明しなかったことに対して非常識だと思う傾向にあります。
迷惑をかけられたと思う
引き継ぎをきちんとせずに突然退職代行を使って辞めてしまった場合、会社の人々は迷惑をかけられたと思うかもしれません。 特にプロジェクトの進行中に途中で投げ出されたり、辞めた本人しか掌握していないような業務があるのに引き継がなかったりすると、迷惑だと感じる確率が上がります。
どうしたんだろうと心配に思う
突然会社を辞めた上に、自分で言い出す事なく代行サービスを利用したとなると、非常識だと怒ったり、迷惑がったりするよりも、一体何があったのだろうと心配するという事も考えられます。 理由をきちんと伝えずにただ退職代行を利用して「辞めます」のひと言だけだと、余計に心配をかけてしまうかもしれません。
そんなに追い詰めてしまったのかと悲しく思う
自ら辞めたいと言い出せないくらい、そして上司や同僚に相談できないくらい、追い詰めてしまったのかと悲しく思うという事も考えられます。 退職代行サービスで、他者に退職の意向を伝える事さえも頼らなければならないという事態を重く受け止め、何か会社側に辞めた本人を追い詰めてしまった落ち度は無かったか振り返る会社もあるかもしれません。
無理もないと同情する
ブラック企業などにおいては、退職代行サービスを利用して同僚が退職していったと聞いて「無理もない」と同情する同僚もいるかもしれません。 辞めたいと常日頃から言っており、上司とも交渉していたのに辞めさせてくれずに悩んでいた、などという姿を間近で見ていれば「ついに退職したか」や「強硬手段に踏み切ったか」などと納得して受け入れてくれる事もあるでしょう。
特に何も思わない
本人が辞めたいと言うならば引き止める事もないということで、淡々と退職の手続きを進める会社もあります。 同僚や上司も、特に何も思わずに事実を受け入れてしまうのです。 辞めた本人にとっては少し寂しいかもしれませんが、特に非常識だと思われるようなこともありません。
会社の人たちの退職代行を使われた時の反応
- 会社に自ら伝えないため非常識と思う
- 職務の引継ぎをしていないため迷惑と感じる
- 自分で言い出すことなく突然の退職なので心配する
- 周りに相談できないくらい追い詰めたことを悲しく思う
- ブラック企業のような環境だと、辞めるのも無理もないと同情を抱く
- 何も思わず辞めたい人に対して淡々と手続きをする
詐欺を疑ったりトラブルに巻き込まれたかと思われるケースも
退職代行サービスを利用して、突然会社を辞めた場合に、非常識だ!迷惑だ!と思われるだけならばまだ良いのですが、詐欺なのでは、トラブルに巻き込まれたのでは、と疑う会社もあります。この場合は、本人と直接連絡が取れない限りは認められないと言ったり、会社の方から何度もしつこく本人に連絡を入れたりする可能性があります。 会社側からしても、すぐに信じて退職の手続きを進めたところ、翌日には本人がケロリと出社してきて「退職したんじゃないのか!?」と驚き、本人も「退職なんてしていない!」と驚いてしまうなどという事になったら大変なので、本人確認には慎重になるでしょう。
こういったトラブルを避けるために考えられる対策方法は、自筆の退職願を郵送するなどが挙げられますが、会社側から疑われた場合にはスタッフとよく相談して打つ手を考えると良いでしょう。
できるだけ会社の人たちへの印象を良くする方法
退職代行を使って突然会社を辞めると、会社の人々の印象は決して良いものではないという事が分かりました。 非常識だと思ったり、迷惑だと思ったりする人も少なくないですし、中には心配したり自分たちが追い詰めてしまったのだろうかと悲しく思ったりする人もいます。 時には「詐欺やトラブルに巻き込まれたのでは」と疑われてしまう事もあります。
本来、退職は自分の口で上司に面と向かって退職したい意向を伝える事がマナーとされています。そのため、退職代行を使い退職すると、どうしても印象が悪くなってしまうリスクを伴います。
しかし、予めいくつかのポイントに気を付けておくと、会社の人たちへの印象を良くすることができます。 そのポイントをご紹介します。
退職届と共に自筆の手紙を郵送する
退職代行を使って退職すると、ほとんどの場合、会社の人事宛に退職届を郵送する流れとなります。退職届を提出しなければ退職はできないケースが多いため、誰もが通る道です。 この際に、突然退職してしまい申し訳ないと思っている事や、感謝している事など、自筆の手紙を添えて上司や同僚に手渡してもらうと印象が良くなります。
気を付けなければならないのは、退職届には、個人的な感情の絡む文章を書いてはならないということです。 退職届には退職理由を書きますが、一般的には「一身上の都合により」と書きます。 この部分はあくまでも「一身上の都合により」だけにして、個人的な手紙は別で用意しましょう。
引き継ぎに関するメモなどを残すか送る
突然辞められて迷惑だと感じる最大の原因は引き継ぎがきちんとできていない事です。 そのため、迷惑だと思われないためにも、引き継ぎに関する資料や、引き継ぎのメモなどを会社に残しておくと良いです。
ただ、「もう明日から会社へ行きたくない」と思いたって退職代行に依頼をした場合には引き継ぎのメモを作って残しておく余裕などなく、身ひとつで退職となってしまうかもしれません。その場合は、退職届と一緒に郵送するか、後日改めて郵送するなどして、引き継ぎが少しでもスムーズにできるように配慮しましょう。
身辺整理をしてから退職する
突然辞めた人の私物が会社にたくさん残っていると、会社の人たちは良い気分ではないでしょう。 前々から辞めたいと思っている場合には、退職代行を利用する前にある程度身辺整理をして、私物を会社に残さないようにしましょう。
もちろん突然退職する事になった場合には会社の人に頼んで郵送で私物を送ってもらう事もできますが、その際には「着払いでお願いします」など、会社側の負担をなるべく軽減するように配慮する事がポイントです。
会社の人の印象を良くするポイント
- 自分の気持ちを綴った自筆の手紙を会社に郵送
- 引き継ぎに関する資料や引き継ぎのメモを会社に残したり送る
- 事前にオフィスのデスク周りの身辺整理をしてから退職代行を利用する
退職代行を使う場合も社会人としてのマナーと配慮は忘れずに
本来、会社を辞める際には直接上司に退職したい意向を伝えるのがマナーです。 しかし様々な理由によって退職代行を使って退職するケースもあります。退職代行サービスを利用して退職する事そのものは、決して悪い事ではありませんが、それでもどうしても会社の人たちの中には非常識だ、迷惑だ、と思ってしまう人もいる可能性があります。 出来る限り会社の人たちへの印象を良く退職するためには、引き継ぎがスムーズにできるようにメモを残す、自分の気持ちを綴った手紙を送る、などの配慮が大切となります。
まとめ
- 突然退職代行を使われた会社の反応は、どちらかというとネガティブな方が多い
- 退職代行を使用した時のトラブルを避けるために、できるだけ印象を良くした方が良い
- スムーズに退職するために、社会人マナーと配慮に気を付ける