職場でのサイレントモラハラの特徴と対処法

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近年、様々なハラスメント行為に名前がつき「○○ハラ」という言葉が多く聞かれるようになりました。
「モラハラ」、つまり「モラルハラスメント」はその中でも比較的メジャーで、道徳や倫理に反した嫌がらせのことを指します。

そんなモラハラには「サイレントモラハラ」という種類のものがあるとご存じですか?
今回は職場内でのサイレントモラハラについて解説するとともに、その被害に遭ってしまったらどうしたら良いか、説明していきます。

サイレントモラハラって何?

サイレントモラハラとは、その名の通り「サイレント」なモラハラです。
無音の、静かな、モラハラのことを指し、直接的に侮辱したり暴言を吐いたりするわけではなく、態度や表情などで相手を傷つける行為を指します。

「フキハラ」という言葉がありますが、これは「不機嫌ハラスメント」といって、機嫌が悪いような態度を取って、相手を困らせたり傷つけたりする行為です。
このフキハラは、サイレントモラハラの一種となります。

モラハラ・パワハラとの違い

「サイレント」がつかないモラハラには、直接的な侮辱や誹謗中傷、暴言が含まれます。
立場に関係なく、相手の人間性を否定するようなことを言ったり、自分の思うように相手が動かないと酷い制裁を与えたりするのが一般的なモラハラです。

パワハラは、権力を振りかざしておこなう嫌がらせであり、上司や先輩など、立場が上の人間が、目下の人間に対して嫌がらせをすることです。

サイレントモラハラは、立場に関係なく、表立った「嫌がらせ」感が露呈しにくいため、周囲の人間が気付きにくいという特徴があります。

職場でのサイレントモラハラの特徴と具体例

具体的なサイレントモラハラの特徴を、5つにまとめました。
職場でこのような目に遭っていれば、それはサイレントモラハラの可能性が高いです。

1.無視

話しかけても無視される、挨拶しても返してもらえない、まるで自分が存在していないかのように振舞われる……
こういった「無視」はサイレントモラハラの代表的な事例です。

人は、無視されると「自分が何か相手に嫌われるようなことをしてしまったかな」と不安になります。
その理由を尋ねて、答えてくれれば解決の糸口が見えるのですが、サイレントモラハラの場合は理由を聞いても答えてくれず、ひたすら無視し続けられます。

2.不機嫌な表情

何かにつけて不機嫌な表情を見せてくるのも、実はサイレントモラハラのひとつです。
これが、冒頭で少し触れた「フキハラ」というやつです。

なぜ不機嫌なのか、という理由を伝えることなく、突然不機嫌な表情を向けられるため、被害者は混乱し不安になります。

「理由は分からないけれど嫌われているらしい……」というおぼろげな状態で、常に相手の顔色をうかがって言動を決めることとなり、非常にストレスフルになります。

3.何も言わず睨みつける

「サイレント」モラハラの特徴は、直接言葉で傷つけることがない点にありますが、何も言わずに睨みつけるという行為は、まさにその特徴を象徴しているような嫌がらせです。

言葉にしてくれないため、被害者側は、なぜ自分が睨まれるのかという理由が分からず、非常に不安になります。
サイレントモラハラの共通点は、「理由が分からない」という不安感を煽るところにあります。

この被害に遭いやすい人は、責任感がある人や、人の気持ちを考えて行動できる優しい人などです。大した理由もなく「なんとなく気に食わない」という理由や、単純な嫉妬心などで睨みつけたり無視したりしてくる人に対しても「え?私、何かしちゃったかな……」と必要以上に気にかけてしまうため、ストレスを抱え込むことになります。

4.わざとらしいため息

無言の嫌がらせには「ため息」攻撃も含まれます。
話しかけた時に、明らかに嫌そうな顔をされて、わざとらしいため息をつかれて、ひと睨みされて、挙句無視されたら、誰だってメンタルが傷つけられます。

何かにつけて被害者に対してため息をついて、「嫌いだ」という感情を前面に出すのも、立派な嫌がらせとなります。

サイレントモラハラへの対処法

職場でサイレントモラハラの被害に遭ってしまったら、どうしたら良いのでしょうか。
その対処法を3つご紹介します。

1.上司や相談窓口に相談する

まず、ハラスメント系の悩みや被害に関しては、誰かに相談するのが一番です。
信頼できる上司、話しやすい上司に、サイレントモラハラの相談をしてみましょう。

相談できる上司がいない場合は、社内の相談窓口や、社外の相談窓口を頼っても良いです。また、家族や友人などに気軽に相談してみるのもおすすめです。

サイレントモラハラは、無言の嫌がらせであり、表立ってハラスメント行為が見えづらいのが特徴です。被害者自身もハラスメントだと自覚できずに、ただ自分が嫌われているだけと思い込んでしまうケースが多いため、誰かに話して「それはモラハラだよ」と気付かせてもらうことが重要になってきます。

2.部署異動を願い出て加害者から離れる

「サイレント」に限らず、モラハラ、いや、全てのハラスメントをするような人は、まともな倫理観や道徳観を持っていません。
相手が嫌がることをするのが楽しく、傷つけることを喜びます。

そんな人に「変わってもらおう」と働きかけるのは時間の無駄です。
一番良いのは「ハラスメントする人から離れる・関わらない」という対処法です。

職場でサイレントハラスメントに遭ってしまったら、部署異動などを願い出て加害者から離れられないか掛け合ってみてください。
場合によっては加害者側を部署やチームから外してもらえるということもあります。

3.退職する

サイレントモラハラは、表立ってハラスメント行為が見えない厄介なハラスメントです。
そのため、相談してもまともに取り合ってもらえなかったり、部署異動を願い出ても聞き入れてもらえなかったりすることも考えられます。

そんな時は「退職」も考えましょう。
とにかく嫌がらせからは離れるのが一番です。

ネチネチと嫌がらせしてくる人と一緒に過ごす時間は、確実に被害者のメンタルを蝕み、心身共に疲弊させます。一刻も早く離れることを勧めます。
その手段として「退職」は最も確実なものです。

サイレントモラハラが原因で退職する場合の方法

職場でのサイレントモラハラが原因で退職する場合、どのように退職したら良いのでしょうか。
理由の伝え方や、辞める時のポイントをまとめました。

1.理由は正直に伝える

まず、退職理由ですが、サイレントモラハラの被害に遭っているということを、正直に伝えましょう。
他の当たり障りない理由を挙げてはいけないというわけではありませんが、モラハラがあったという事実を伝えることで、他の人がターゲットとなり二次被害が起こることを防げるかもしれません。

取り合ってもらえない場合でも、「伝える」ということが重要です。

退職届けの理由の欄には「一身上の都合により」と書くのが一般的ですが、何か会社にも一言言ってやらないと気が済まないという場合は「度重なる上司(同僚・部下など加害者の情報を入れます)からの嫌がらせ行為により」と書いても構いません。

2.引き止められても条件を飲んでもらえない限り応じない

会社側に退職したいと申し出て、サイレントモラハラの事情を伝えても、まともに取り合ってもらえなかったり、引き止められたりすることがあります。

「相手にはよく言っておくから」
「君の気にしすぎなんじゃないか」
「君だって無視していれば良い」

などと説き伏せようとされたら、例えば「部署異動できないならば退職します」と、条件を飲んでもらえない限りは退職の意志が固いことを伝えましょう。
また、そもそも退職の意志が固い場合は、何を言われても毅然とした態度で退職するという決意を曲げないで「絶対に退職する」と伝えましょう。

3.自分から言い出すのが怖い場合は退職代行を利用する

サイレントモラハラが理由で退職するということを、自分から言い出すのが怖いという方もいらっしゃると思います。
センシティブな問題だからこそ、知られたくないということもあるでしょう。

そういった場合は、退職代行の利用がおすすめです。
依頼者に代わり、退職の意向を会社に伝え、退職の手続きをサポートしてくれるサービスで、相場は3万円ほどの退職代行は、会社へ一切行かずに、会社の人と一切連絡を取らずに、退職できます。
また、「即日退社」を謳っているサービスも多く、辞めたいと思った次の日から会社へ行かずに退職できます。

自分から退職したいと伝えなくても、スムーズに退職できるため、とてもおすすめです。

4.埒が明かない場合も退職代行の利用がおすすめ

自ら会社に掛け合って退職したいと伝えたのに、引き止められて埒が明かなくなっている際にも、退職代行はおすすめです。

なにしろ、会社へ行く必要がなく、会社の人間と連絡を取る必要もないため、引き止められようが、あの手この手で条件を出してこようが、そういったことは全て無視して退職の手続きを進められます。

サイレントモラハラが原因で退職したいのに、上手くいかず困っているならば、是非利用を検討してみてください。

まとめ

  • サイレントモラハラとは態度や表情などで相手を傷つける行為で無視が代表的な事例である
  • 部署移動や退職によって加害者から離れるのがサイレントモラハラへの対処法
  • サイレントモラハラが理由で退職するのを言い出しにくい場合は退職代行サービスへ