警察官はブラックなの?辞めたい理由
警察官というと、街の平和を守る正義のヒーローというイメージで、子どもの憧れの職業のひとつです。
また、大人目線では、公務員なので安定した職業、稼ぎの良い職業というイメージがあり、社会的地位が高く信用のおける人だという目で見られる、そんな仕事です。
そんな警察官の仕事ですが、ブラック企業よりもしんどい、仕事内容や職場がブラックすぎる、という声もちらほら上がっています。
一体何がブラックなのか、警察官を辞めたくなる理由にはどんなものがあるのか、まとめました。
目次
警察官はブラックな仕事なのか?
警察官はブラックな仕事なのかどうか、という点ですが、職場や仕事を「ブラック」と決めるのは、働いている本人が「そう感じているかどうか」がポイントとなります。
ブラック企業の客観的な定義として「明らかに労働基準法に反している」ことが挙げられますが、そういった意味では警察官は労働基準法に反するような仕事ではありません。
ただ、その責任ある仕事内容がハードであることは、誰でも想像に難くありません。
警察官がブラックと感じて辞めたくなる理由
警察官が自分の仕事をブラックだと感じて、辞めたくなる瞬間、その理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは6つの理由を紹介します。
1.勤務時間がまちまちでプライベートを確保しにくい
警察官は、勤務時間があって無いような仕事です。
張り込み調査が長引けば、退勤時間をゆうに過ぎていても張り込み続けなければなりません。
取り調べに手こずれば、夜通し取り調べを続け、朝帰り……ということもあります。
(法律で取り調べの時間帯、長さは決められていますが、現行犯逮捕の場合は初回の取り調べが長引くことがあります)
また、事件は警察官の都合などお構いなしに発生します。
休みの日に駆り出されることもしょっちゅうで、休みの計画が全ておじゃんになってしまうことも日常茶飯事です。
2.トップダウンの古い気質が根強く残っている
警察官に限らず、公務員という職業に共通する特徴に「体制が古い」「トップダウン」というものがあります。
上司が言ったことは絶対、上司の指示は絶対、逆らったり意見を述べたりすることは許されない、という風潮が未だ根強く、新人警察官が肩身の狭い思いをしたり、ストレスを抱えたりすることが多いそうです。
署によって、そして上司の人柄によっても大きく差が出ますが、全体の雰囲気として古い気質が根強く残っているという特徴は、若い世代の警察官にとって「辞めたい」という理由になりそうですね。
3.文句を言われたり暴言を吐かれたりすることも多い
警察官は、善良な市民にとっては「街を守ってくれるヒーロー」的な存在ですが、悪さをする人にとっては非常に厄介な存在です。
また、普段は善良な市民であっても、たまたま交通ルール違反をしてしまったのが見つかったり、職務質問を受けたりすると、嫌な気分になるものです。
切符を切ったり、職務質問したり、逮捕したり、取り調べをしたり、相手が決して良い気分にならないようなシーンで、警察官は文句を言われたり暴言を吐かれたりします。
その文句や暴言に慣れて聞き流せるようになる人と、いつまで経ってもストレスとなり悩み苦しむ人と、それぞれです。
4.命の危険が伴う
警察官は、時には凶悪な犯罪者と対峙することがあります。また、事故現場などを訪れることもありますし、危険地帯に足を踏み入れなければならないシーンもあります。
常に命の危険と隣り合わせなのです。
「殉職」という言葉がありますが、警察官はまさに、この殉職と常に向き合っていなければなりません。
自分自身の命はもちろん、上司や同僚、部下の命についても同じことが言えます。
大切な人を目の前で亡くしてしまう、あるいは大切な人の訃報を耳にする、という機会が一般的な職業よりも多い警察官という仕事で、精神的に参ってしまう人もいます。
5.凄惨な現場を目撃することも
事故現場や事件現場に赴くと、凄惨な現場を目の当たりにすることがあります。
よくドラマなどで新人警察官が吐き気を催しているシーンなどが描写されますが、こういった凄惨な現場に対して抗体のように「慣れ」が出てくる人と、いつまでも慣れることができずに苦しみ続ける人がいます。
慣れることができない人の中にはストレスを抱え込み、うつ状態になってしまう人もいて、こういった精神的な負担が警察官を辞めたいと思わせてしまう理由のひとつとなっています。
6.取り調べのストレス
人の役に立ちたい、困っている人を助けたい、といった優しい気持ちで警察官になる人は多いですが、取り調べをしなければならない立場に立つと、一転、時には厳しく相手を追求しなければなりません。
毅然とした態度で、事実を聞き出すために、伝えづらいことも伝えて、厳しく取り調べをするという行為は、人によっては相当なストレスになります。
特に、何らかの同情できるような事情があって犯罪に手を染めてしまった人を取り調べる時には、心が非常に痛むそうです。
取り調べで厳しく相手に接することにストレスを感じて警察官を辞めてしまう人もいます。
警察官を続けるメリット
警察官を辞めたくなる理由について解説しましたが、一方で、警察官の仕事には勿論メリットや魅力があります。
1.収入が安定している/高収入
警察官は、強い責任感が求められる仕事であり、とても大変な仕事です。
そのため、給料は相場よりも高く、いわゆる「稼げる」仕事です。
夜間に勤務することも多く、長時間勤務や、休日があって無いようなものというところも、高給取りの理由です。
年齢や肩書にもよりますが、大体600~700万以上は稼げると言われています。
警察官から他業種に転職するとなると、収入が減ってしまうことの方が多いため、警察官を辞めずに続けるという人も多いです。
2.公務員という安心感と社会的信用
警察官は公務員なので、老後の年金や保証なども手厚く、安心感のある職業です。
また、社会的信用が非常に高く、多くの人から一目置かれる存在であることも、警察官の魅力のひとつです。
3.人の役に立つ仕事/エッセンシャルワーカー
警察官になりたいと夢見る人の志望理由として最も多いのが「人の役に立ちたい」というものですが、まさにその言葉通り、警察官は人の役に立ち街の平和を守る大切な仕事です。
社会に無くてはならないエッセンシャルワーカーですので、自分自身の存在意義や価値を見出しやすく、自分は必要とされていると実感できる仕事です。
警察官を続けるか辞めるかは心の声に耳を傾けて
警察官という仕事は、高収入で安定しており、社会から必要とされており、人から一目置かれる存在です。
しかし、ブラックと言っても過言ではないような過酷な労働環境や、様々なストレスがのしかかる大変な仕事であることも、忘れてはいけません。
警察官として働く中で辞めたいと感じたら、自分は何のために警察官として働いているのか(給料が高いから?それとも人の役に立ちたいから?など)その理由を探してみましょう。
また、辞めたい理由についても、同様に心の声に耳を傾けます。
警察官になりたかった自分と、辞めたいと思っている自分、それぞれの声を聞いて、辞めるか続けるかじっくり考えてみてください。
まとめ
- 警察官は勤務時間があって無いような仕事である一方稼げる仕事でもある
- 社会に無くてはならないエッセンシャルワーカーだが常に危険が伴う
- 警察官がブラックかどうかは本人がどう感じるかによるところが大きい