内定辞退はいつまでに会社に伝えるべき?

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就職活動を進める中で複数の企業を受けている学生さんが必ずぶつかると言っても過言ではない壁、それが「内定辞退」です。

希望する会社が1つで、その本命に入社できれば内定辞退の必要はありませんし、悲しいですがことごとく落ち続けて1社だけから内定をもらいそこに就職することになったという場合も内定辞退は不要です。

しかし、複数の会社から内定をもらったり、内定が出たものの考え直してやはり辞退したいと思ったりしたら、内定辞退の連絡をしなければなりません。

折角内定を出してくれたのに、辞退の連絡をするのは正直気が重いですよね。
ただ、気が重いからといってズルズルと先延ばしにするのは良くないです。

今回は、内定辞退のタイミングと、その方法について解説します。

内定辞退の目安は入社日の2週間まで

内定辞退の目安として頭に入れておきたいのは「遅くとも、入社日の2週間前までに」というラインです。

民法により「雇用契約は解約通知をしてから2週間で解約になる」と定められているため、入社まで2週間以上あれば内定辞退が可能になります。

2週間を切ってからの内定辞退でも違法になるわけではない

民法に基づくと入社日の2週間前までに内定辞退をしなければならないように思われますが、これを過ぎてしまってから内定辞退を申し出たからといって違法行為として罰せられることはありません。

法的には内定辞退は「いつまでに申し出なければならない」という決まりがあるわけではなく、最悪前日に申し出ても処罰されることはないのです。

ただし、雇用契約は解約通知をしてから2週間後に解約となるため、内定辞退を申し出てから2週間は雇用契約が継続するケースがあります。
そうなると、他に入社したい会社から内定が出ていても就職できないというリスクが生じます。

多くの会社が入社日としている4月1日に、A社とB社が入社式を予定していたとします。
A社からもB社からも内定が出ていて、本命はA社でありながら、B社への内定辞退をしていないまま入社日前日となってしまい、慌ててB社に連絡を入れても、翌日にきれいさっぱり雇用契約解約とはならず2週間後まで待たなければならなくなる可能性があるのです。

そうなると、40時間以上の労働契約は結べないと法律で定められているため、A社と雇用契約が結べなくなってしまう恐れがあります。
希望していたA社に入社できなくなるかもしれないのです。

このリスクを考えたら、やはり遅くとも入社日の2週間前までには内定辞退を申し出た方が良さそうです。

本命の就職先が決まり次第すぐ内定辞退するのがマナー

目安として「入社日の2週間前まで」に内定辞退をすべきと述べましたが、社会人のマナーとしては、本命の就職先が決まったらすぐに内定辞退の連絡をすべきです。

なぜなら、内定の辞退者が出るということは、人事部では新たに募集採用に向けて動かなければならなくなるからです。

他にも、入社する予定の新入社員たちのために、社員証や制服などの用意を進めている会社もあるかもしれません。ギリギリに内定辞退の連絡をすると、既に入社の準備が済んでしまっている場合がありますので、早くに連絡するに越したことはありません。

内定式や事前研修の前に辞退を申し出た方が良い

会社によっては、内定式を執り行ったり、入社前に研修を実施したりします。
これらの行事に参加してしまってから内定辞退を申し出ると、マナーとしても褒められたものではありませんし、例えば研修で発生した費用を請求される可能性が出てきます。

内定式や研修が終わった後に、本命の会社から内定が出てしまったり、やむを得ない事情で内定辞退しなければならなくなったり、どうしても辞めたいという心変わりが生じてしまったりした場合は致し方ありませんが、極力避けるように心がけましょう。

内定辞退はメールでいいのか電話すべきか

内定辞退はメールを送るだけで良いのか、電話すべきか、それとも会社へ直接出向くべきか、悩む人も多いのではないでしょうか。

マナーとして一般的なのは
1.まず電話して内定辞退したい旨を伝え、必要な手続きなどがあるか確認する
2.メールを送って内定辞退した証拠を残す
3.必要あれば会社を訪問して内定辞退の挨拶をする

という順番になります。

いきなりメールだけ送ったり、会社に行ったりするのではなく、まずは電話をかけるのが良いです。

電話口で人事部の担当さんに代わってもらい、内定辞退を希望する旨を伝えます。
そこで、人事部の方から何かしら案内があるはずですので、その案内に従ってください。

電話だけだと証拠が残らず「言った言わない」のトラブルになる可能性もあるため、確実に内定を辞退したという証拠を残したければメールでも内定辞退の挨拶を送っておきましょう。
採用でお世話名になり感謝しているという旨と、辞退する会社の繁栄を願う旨を書き添えて送っておけば、内定辞退の証拠が残ります。

ほとんどのケースで、会社に来てくださいとは言われませんが、中には「直接理由を聞きたい」と言ってくる会社もあります。
その場合は会社を訪れ、丁寧に、しかし毅然と内定辞退の意志が固いことを伝えましょう。

内定辞退により損害賠償請求されることはあるのか

内定辞退を申し出て損害賠償を請求されたり、訴えられたりしたらどうしよう……と思う方もいらっしゃるかもしれません。

基本的に、内定辞退をしたからといって、損害賠償請求されたり裁判を起こされたりすることはありません。
内定辞退は全ての人に平等に与えられた権利ですので、安心して内定辞退して大丈夫です。

最近は「オワハラ」などという、内定辞退をさせないようにハラスメント行為をおこなう会社があるという噂も聞かれますが、オワハラは「職業選択の自由」の権利を侵す違法行為ですので、恐れる必要はありません。

ただし、入社前の事前研修に参加してしまった場合は、この研修費を請求される可能性があります。

社会人のマナーとして内定辞退はお早めに

上述の研修費についてですが、研修に参加してから内定辞退をしても研修費を請求されなかったということの方が実際は多いです。
しかし、間違いなく「研修費」は発生しており、これを会社が全て負担したということになりますので、会社に迷惑をかけたということは自覚した方が良いです。

研修だけでなく、入社に向けて様々な準備をするのにも費用や労力が発生します。
そもそも、募集採用にも費用や労力、時間がかかっています。

内定辞退は決して悪いことではありませんし、誰もが有する正当な権利ですので、堂々と内定辞退して良いのですが、会社にとっては大きな痛手になることは理解しましょう。

そして、会社に迷惑をかけないためにも、内定辞退は可能な限り早くするよう心がけましょう。

言い出せずにグズグズするぐらいなら代行サービスを利用するのもアリ

内定辞退は可能な限り早い方が良いですが、気持ち的に言い出しづらく、気が重く、つい先延ばし先延ばしになってしまう……ということもあるでしょう。

社会人としては、甘えずにしっかりとすべきことをしなければならないのですが、どうしても自分から言い出すのはムリ……という方は、代行サービスを使うのもアリです。

退職代行サービスの中で内定辞退代行を請け負ってくれる業者もありますし、内定辞退に特化したサービスも多数あります。
「どうしても」という時は利用を検討してみてください。

まとめ

  • 民法に規定があるため内定辞退は入社二週間前までに済ませる
  • 社会人のマナーとして内定辞退は早めにすべき
  • 内定辞退を伝えにくい場合は退職代行サービスへ連絡