これって慰留ハラスメント?

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「慰留ハラスメント」という言葉を聞いたことはありますか?
最近、なんでもかんでも「ハラスメント」という言葉がつきますが、慰留ハラスメントは退職する際に起こるハラスメント行為です。

「退職したい」と辞意を伝えた時、あるいは伝えた後に、何か嫌な気分になるようなことを会社側からされたという方、それはもしかしたら慰留ハラスメントかもしれません。

今回は、慰留ハラスメントについて解説します。

慰留ハラスメントって何?

「慰留(いりゅう)」とは「なだめて思いとどまらせる」という意味です。
つまり、退職したいと言っている従業員に対して引き止める行為のことを指します。

引き止めそのものはよくあることで、「辞めたい」と言う従業員に「今辞められると困る」や「人手不足だから次の人が決まるまで待ってくれないか」などと言って会社に留まるように頼む光景はよく見られます。

引き止めそのものはハラスメント行為にはなりませんが、これが「過度」になったり、辞めたい本人が嫌な思いをしたりすると、その時点で「慰留ハラスメント」となります。

これって慰留ハラスメント?具体例5選

それでは慰留ハラスメントにはどのような行為があるのでしょうか。
具体例を5つほど紹介します。

1.辞意を伝えた後に何度も話し合いの席を設けられる

直属の上司に辞意を伝えた後に、「どうにか思いとどまってほしい」という目的で何度も何度も話し合いの席を設けられたら、心身共に疲弊しますよね。
これは立派な慰留ハラスメント行為にあたります。

「どうかな?考え直してくれた?」と毎度同じことを聞かれたり、最初は上司との話し合いだったのが段々人が増えていき、管理職や社長までもがお出ましになり、強く引き止めてくるといったこともあるようです。

2.辞意を伝えた後に嫌味やいやがらせをされる

辞意を伝え、退職することそのものは認めてもらえても、嫌な気分になることをされたら、それも慰留ハラスメントとなります。

聞こえよがしに「あーあ、○○さんに辞められるとホント大変になるなぁ」と何度もネチネチ言ってきたり、「もう辞めるんだから飲み会は当然不参加だよね」といった具合で会社の飲み会に誘わなかったり、いわゆる「嫌がらせ」というやつですね。

当事者が不快な思いをした場合は、これらも立派なハラスメント行為と認められます。

3.辞意を受け入れるのを「待ってくれ」と言われたきり返事が無い

「返事がない」というのも慰留ハラスメントとなります。
例えば、直属の上司に辞意を伝え「ちょっと待ってほしい」とか「上にも確認するから待ってて」などと言われたものの、いつまで経っても連絡が無く、こちらから催促しても返事が無かったり「待ってて」を繰り返すばかりだったり、となるとこれはもう慰留ハラスメントとなります。

4.そもそも辞意を伝える席を設けてくれない

上司などが忙しく、辞意を伝える場を設けてもらうためにアポを取りたくても、その申し出を無視されるというケースもあります。

「3」とも似ていますが「忙しくて時間が取れない」や「今は無理」など、先延ばしにされ続けて辞意を伝える席を設けてもらえない……これも慰留ハラスメントに相当します。

例えばメールでアポを取り、直接対面で辞意を伝えようと思っていて、なかなかその席を設けてもらえない場合は「実は退職したく、そのお話で」という文章をメールにはっきり入れましょう。それでも先延ばしにされたら、確実に慰留ハラスメントとなります。

5.退職願を目の前で破ったり捨てたりする

時折ドラマや映画で見かけますが、上司に提出した退職願を目の前でビリビリに破かれるというシーンがあります。
実際は、ビリビリには破かないかもしれませんが、シュレッダーにかけたり、捨てたり、受け取りを拒否したり、といったことは起こっているようです。

これらの行為は辞意を認めないということになりますので、慰留ハラスメントになります。

なぜ慰留ハラスメントが起こるのか

「慰留ハラスメントが起こる原因は、辞められると困る」に尽きます。
そして、辞められると困る主な理由としては「人手不足」が挙げられます。

多くの企業が人手不足に悩んでいる中で、貴重な労働力を失うのは痛手です。
だからどうにかして辞めさせないようにしたい、という思いが慰留ハラスメントを生んでしまいます。

他にも、新たな人を採用するのに時間や労力、費用がかかるということも「辞められると困る」理由のひとつです。

会社側の言い分も分からなくも無いですが、そんな会社の都合に合わせていたらいつまで経っても退職できずに会社に縛り付けられてしまいますから、これらの事情は一切無視し、毅然と「辞めます!」という姿勢を貫きましょう。

慰留ハラスメントに合わずに退職するコツ3選

慰留ハラスメントに合わないよう、事前に対策できるコツを3つ伝授します。

1.転職先が決まってから辞意を伝える

次の仕事が決まってしまっていれば、会社側も無理に引き止めることが難しくなります。
転職先が決まってから辞意を申し出ましょう。

2.引き継の段取りをしっかり立てておく

引き継ぎの内容を洗い出し、誰に引き継ぐか目星をつけ、スケジュールもおおまかに立てておくことで「辞められると困る」という会社側の言い分を突っぱねることができます。

3.辞める意志は固いということを示す

何と言われようと、何をされようと、絶対に辞めるんだ!という意志は固く持ってください。
「辞めようと考えているのですが……」といった弱気な態度ではなく「辞めさせていただきたいです」とハッキリ伝えるのがポイントです。

退職代行を利用して慰留ハラスメントリスクを避ける

慰留ハラスメントに合わないためのコツを3つ伝授しましたが、次の職場も決まっていないし、引継ぎは特にすることも無いし、意志を固く持つのは難しそう……という方もいらっしゃることでしょう。

そんな時力強い味方になってくれるのが退職代行です。
退職代行は、依頼者に代わって会社に辞意を伝えて退職させてくれるサービスです。

即日退職も可能で、会社へ行かず、会社の人間と連絡を取ることなく退職できます。
つまり、そもそも「引き止め」に合わないのです。慰留ハラスメントとは無縁のサービスとなります。

上司からの引き止めも、嫌味も、嫌がらせも、脅しも、一切恐れることはありません。
慰留ハラスメント予防の最も確実な方法と言える退職代行、是非ご検討ください。

まとめ

  • 辞職希望者が不快な思いをさせられた場合は大概慰留ハラスメント行為にあたる
  • やめられたら困る状況が慰留ハラスメントの原因
  • 仕事をやめる際は揺らがず固く意思を持つことが必要
  • 慰留ハラスメントとは無縁のサービスが退職代行